抽象化思考が子どもの非行防止に役立つ仕組みとは

2018.06.22 (金)

嘘をつく態度が板についてきたり、腹を立てた時の仕草が大人びてきたり、反抗する際の振る舞いが暴力的だったり・・。小学校に上がった子どもを見ていると、「この子は将来非行に走ってしまうんではないか」と思う場面があります。できれば子どもには、いつまで素直なままでいて欲しいですよね。

 

 

そんな思いをお持ちのあなたに私がお伝えしたいのが、抽象化思考です。抽象とは具体の反対語です。一つ一つの物事にフォーカスする具体に対し、抽象とはまとめて一つ、という意味です。例えば皿の上にイチゴが10個ほど盛られているとします。一つ一つのイチゴはよく見ると、色も違えば種の数も違います。盛られている位置にも違いがあります。具体的に見ていけば違いは限りなくありますが、抽象的に見れば要は「イチゴ」という事です。

 

 

抽象化思考の一番の良いところは、一を聞いて十を知ることができる事です。具体のレベルでしか見られない場合は、皿に盛られたイチゴ全ての味を知るには、一つ一つ食べていくしかありません。しかし抽象化の視点があれば、イチゴを一つ食べて残りのイチゴの味を予想することができます。一つのイチゴから世界が広がるのです。

 

 

どうしてこの抽象化思考が非行防止に役立つのか。それは思いやりを育むことができるからです。非行少年や犯罪者には、自己中が多いです。盗んだり、暴力を働いたり、騙したり。全て相手の都合・考え・立場に考えが及ばず、自分勝手な思考・行動によるものです。

 

 

ですから「自己中の正反対を目指せば非行や犯罪は無くなるのではないか」というのが私の仮説なのです。自己中の正反対とは、思いやり、優しさ、寛容さ、柔らかさ、という言葉で表せるもののことですが、ここではまとめて「素直」とします。

 

 

どうして抽象化思考で素直になれるのでしょうか。

・間違っているのは自分ではないか

それは、「間違っているのは自分ではないか」と考えるようになるからです。抽象化思考で得られるのは視野の広さです。視野が狭い人は、自分の視野が狭いことに気づいていないことが、最大の問題点です。抽象化思考で自分の視野の境界にある壁を意識することができるようになれば、「その壁の向こう側にも世界が広がっているかもしれない」と考えることができるようになります。

 

 

「間違っているのは自分ではないか」と考えるのは、相手と対峙した際に「自分の見えていない世界が、この人には見えているのではないか」という所まで考えが至るからです。「間違っているのは自分ではないか」と思うからこそ、相手や状況に応じて柔軟に変化できる素直さに繋がるのです。

 

 

・断絶しないで考えることができる

抽象化思考によって、自分と相手を断絶しないで考えることができるようになります。具体レベルしか見えていなければ、相手は相手、自分は自分と分けて考えてしまいます。「なぜ相手が自分とは違う考えを持っているのか。」「なぜ相手の価値観は自分とは違うのか。」「自分とは違う意見を持つその背景には何があるのか。」という所まで考えがまわりません。

 

 

抽象化思考ができるからこそ、自分と相手を同じ土俵のものとして考えることができるのです。「まとめて◯◯」、「要は◯◯」、「つまり◯◯」と、同じ立場の人間として見ることができるから、相手を拒絶することなく、分かちあおうとする意識が働くのです。

 

 

・寛容的になれる

抽象化思考によって、人は慣用的になれます。具体がはっきりとした現実的なものであるのに対し、抽象とは曖昧でモヤモヤした概念のようなものです。「絶対にこうだからああなる!」というはっきりした考えは、抽象化思考とは真逆のもので、全ては状況次第なのです。

 

 

カメラのフィルターと同じで、人生も一歩引いて見ればどうなるかわかりません。だから相手を受け入れ、自分を相手に合わせる寛容さが生まれるのです。「どっちでもいい」「どちらも有り得る」という事です。

 


 

 

 

 

プレゼントの無料小冊子を更新しました。「子どもの非行を防ぐための素直な頭のつくり方」です。

 

 

非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。

 

 

子どもは周りから吸収する度合いが強いので、子どもの成長は周りの大人次第の側面があります。「周りの大人が自己中から脱し、素直な頭を持つ事で、接する子どもにも好影響を与えよう」というのが、この小冊子の狙いになります。

 

頭の柔軟性があり、状況や相手に応じて変化できる事。自分だけでなく、相手の考えも認める事ができる事。一つ上から全体を俯瞰できる事。そんな「素直な頭」をつくるための気づきを、この小冊子から得ていただければと思います。

 

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