現実の犯罪現場と小説の犯罪現場はどのように違うのか

2017.10.02 (月)

犯罪が題材の小説を久しぶりに読んだのですけど、やはり現実と小説は違いますね。小説は表現が誇張されているし、白々しくて仰々しいです。世界が主人公を中心に描かれていて、中心人物を中心に世界が回っていることに違和感を感じます。

 

 

小説では当たり前ですが、主人公を中心に話が進んでいきます。ですから、主人公を中心に話が回るのです。読者はスポットライトを当てられた主人公を追って物語を進めることになり、情報や出来事も主人公に集まります。

 

 

ですが現実の犯罪の現場では、誰かにスポットライトが当たるということはあり得ません。一人一人が得られるのは、小さな点でしかありません。一人一人が得る小さな情報、一人一人が体験する小さな出来事が、結果的に大きな犯罪現場を構成している、という感じです。

 

 

誰かが事件を解決に導く革新的な情報を得たり、犯人を特定するに至る決定的な出来事を体験するわけでもありません。現実の犯罪現場は小説と比べて、とても地味なものです。良くも悪くも、誰かにスポットライトが当たることはありません。悲劇のヒーローというのは滅多に現れるものではないのです。

 

 

だから、皆いざ犯罪に巻き込まれると、悲劇のヒーローを求めがちです。社会では誰もが驚くほど自分中心です。

 

 

自分がとてつもない社会的影響力のある犯罪に巻き込まれて。何気ない日常の一コマから、洞察力とひらめきの賜物によって、事件解決への有力な手がかりを劇的に入手して。犯人は、社会の隙間のような思いも寄らないところから現れて。なんてのを期待してしまいます。

 

 

確かに多くの人が想像しているより、犯罪というのは実際に起きています。一見、平和そうに見える小さな町にも、人の営みがあって社会が形成されている以上、トラブルや摩擦は頻繁に起きています。それが気になるくらい表面化していないのは、警察などが納めているからです。

 

 

ですが実際に起きている犯罪とは、多くの人が想像しているよりも地味なものです。メディアで報道されるような華のあるものではありません。小説やドラマで展開されるような劇が待っているわけでもありません。

 

 

フィクション作品、メディアを通して報道されたもの、多くの人が想像する犯罪現場とは、現実とは違うものです。現実とは、もっと地味で、中途半端で、華のないものなのです。

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