反論する技術 〜 非行防止の子育てや原因・家庭環境・少年の心理を探る
この本は、弁護士である著者が、うまく言い返すことができない、でも本当は言い返したい、うまく反論したい、という「反論をするための方法論」を解説したものです。
著者は「はじめに」で「言い返せるかどうかは勇気の問題」としています。反論をするには勇気が必要です。反論ができない人は、相手を言葉で傷つけたり、言い争いを避けたいがために、反論をすることができません。しかし、反論を言葉のキャッチボールだと考え、相手にボールを返すスローイングの技術が必要だと提唱しています。
この本の構成は、以下のとおりです。
PART 1 「反論する技術」編
1 「逆質問」でその場をしのぐ!
・ 初歩的な質問をすることで、相手に言い返すことができる
・ 相手の立場を崩したい時には「図に描いてもらう」のが効果的
・ 言葉を定義してもらうことで、話題を特定し、整理するのも一法
・ 相手の話にひっかかりをかんじるときには「成功事例」をきいてみる
・ 相手の弱点が見つからない場合は、どんなことでもいいので質問
・ 困ったときには「もう一度説明」してもらい、時間をかせぐとよい
2 都合良く論点をずらす!
・ 問題点をまとめることで、話の流れを止める効果が得られる
・ 分が悪いと思ったら、スムーズに話題をすりかえてしまおう
・ 相手にうまくかわされそうなときは、本題に戻すのが得策
・ 相手と争うときは、自分の都合がいいように問題点を設定する
・ 相手のペースにのまれそうになったら、あえてほめてしまうのも手
・ 相手の出鼻をくじくには、現実問題を持ち出すのが効果的
3 答えるのをやめる!
・ 相手が感情的になっても、あくまで冷静を保って様子を見る
・ イージーミスなどはあえて指摘せず、相手を刺激しないのも大人の知恵
・ あえて無視するという方法で論争を回避することもできる
・ 「守秘義務」を持ち出せば、都合の悪いことに答えなくて済む
・ 「資料が手元にない」「担当者がいない」と言えば、答えなくて大丈夫
・ その場で言い返せないときには、一旦持ち帰って菅論を準備してもよい
4 相手のスキを突く!
・ 相手の意見の良い所は認めつつ、個別に反対してくと理解が得られやすい
・ 言い負かされそうな時は、相手の発言の矛盾を見つけて指摘する
・ データの間違いを指摘するだけで、相手の説得力を弱める効果がある
・ 単純ミスを細かく指摘し続けると、心理的なダメージを与えることができる
・ 自信に満ちた相手には、過去の失敗事例を突きつけて一矢報いよう
・ 相手の弱点にフォーカスすると、自分の意見の説得力が高まってくる
PART 2 「反論されない技術」編
1 「一理ある」と思わせる!
・ 事実を時系列に沿って話している間は、相手の反論を封じることができる
・ 実際に起きた事実をベースに話せば、議論は自分のペースになっていく
・ 反論をするのではなく代案を出す。そうすれば相手の意見を覆す機会が生まれる
・ 短くて印象に残るフレーズを繰り返すうちに、自分の意見が受け入れられやすくなる
・ 重要な話は何度でも繰り返そう。やがて「ぶれない人」というイメージが定着してくる
・ 相手の攻撃をしのぐ場合、難しい専門用語を使って相手を思考停止状態にする
・ キーパーソンに響く言葉を選ぶ
2 証拠をもとに説得する!
・ 客観的な証拠には、自分の話の信用度を上げる効果がある
・ 正確な数字を示し続けていれば、相手が聞き入れる姿勢を見せるようになる
・ 数字を示すときには、官公庁などが公表している統計データを示すのがベスト
・ 抽象的な話が続きすぎないように、ここぞというときに具体例を出すと理解してもらいやすい
・ 大学の研究などの権威の引用は証拠としての価値が高まる
・ 過去の成功事例を示す
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