勝負論 〜 非行防止の子育てや原因・家庭環境・少年の心理を探る
この本は、勝ち続けること、成長し続けることの方法や素晴らしさを説いた本です。著者の「勝ち続ける意志力」に続く本です。
提唱していることは、前書と一貫して同じです。一回一回の勝負にとらわれないこと。短期的な目標のを成し遂げるために勝ちに行くのではなく、もっと長期的な視点で勝ちを目指します。
一年の中で何回か負けることはあっても、長期的に右肩上がりであること。それが、著者が考える勝ち続けることです。大きな大会で一喜一憂せず、日々の小さな発見に成長を見出すこと。そうすると、不思議と結果も付いてくるのです。
趣味でも仕事でも、何かに対して「好きだけど不得意」な人は、後で大きく成長する可能性が高いと著者は説きます。トップレベルになるには、苦難の長いトンネルを抜けるような期間を要します。要領がいい人は、このトンネルを一気に抜けてしまいます。成長も早く、先にトップレベルにたどり着きます。
しかし、要領が悪く不得意な人は、苦難の長いトンネルを、時間をかけて進みます。あっちにぶつかり、こっちにぶつかり。永久にトンネルを抜けだせないんじゃないかという感じです。
しかし、多くの寄り道をし、要領のいい人よりも多く傷ついた分、苦難の長いトンネルを抜けてしまえば、自由自在なパフォーマンスを得ることができます。細いトンネルの中では、方向感覚が定まらないことでトンネルの壁にぶつかり、傷ついてしまいます。
けれどもトンネルから抜け出してしまえば、定まらない方向感覚は味、奥深さ、懐の深さとして、パフォーマンスの幅を広げてくれるのです。結果として、多くの寄り道をしたほうが、成長できるのです。
以下、読書メモです。
・今よりもずっとゲームに対する世間の理解がなかった頃から、どうすればゲームを知らない人、ゲームに関心がない人にまで、ゲームをもとに考えてきた内容を認めてもらえるかを、常に考えていた。
・ある時点での実力差、能力差は、その後の成長力で必ず埋められる。
・自分が成長できているかどうかを最終的に評価できる人物は、自分しかいない。
・誰に何と言われようと、自分の幸福を定義できるのは自分しかいない。そして自分が頑張ろうと思ったことをしなかった事実が招くのは、単純な、わかりやすい不幸だ。
・深い思考ができているか、成長しているか判別するのはあくまで自分の「内的な評価」であって、決して外的な評価に依存してはいけない。
・成長とは、好きでいるためにどういう工夫をするかである。好きで居続ければ、勝手に成長していく。
・周りの目、外的な評価の基準、人との競争は、自分の中から捨て去ったほうがいい。
・自分の成長を判別するのは自分の「内的な評価」であって、外的な評価に依存しないことを知っている。だから、外野からいかに批判されようと、基本的な対応は決まっている。言葉は悪いけれど「知るか、バカ」ということだ。
・努力すること、成長を続けることは、それ自体が幸福感に直結している。
・幸福な気持ちを抱えて成長し続ける姿。それこそが勝ち続けることの本質だ。
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