なぜ手ぶらで犯罪がなくなるのか

2018.08.27 (月)

路上で知らない人間から刺される通りま事件、高齢者が多額の現金をとられるオレオレ詐欺、車で人を引いて逃げてしまうひき逃げ事件。世の中にはたくさん犯罪が転がっています。これらの犯罪を無くすにはどうすればいいんでしょう。

 

 

あなたはこれらの犯罪を無くすのに、多くのお金が必要だと思っていませんか?或いは、途方も無いエネルギーが必要だと思っていませんか?大掛かりな更生施設を用意したり、医学や心理学のカウンセラーを依頼したり、スケールの大きな準備が必要だと思っていませんか?

 

 

実は、犯罪を無くすのに必要なのは想像力なんです。更生施設やカンセラーなど、大掛かりな用意ではありません。何も持っていない個人でもできる、ハードルの低いものなんです。

 

 

ではどういった想像力が必要なのでしょうか。それは、まとめて考えられる、という想像力です。たくさんある中から共通点を見つけて「要するになんなのか」を考える力です。それは、難しい言葉で抽象化と言われるものです。

 

 

そもそも抽象化とは、物事をまとめて考える、という見方です。例えば皿の上にバナナ10個、盛られています。ひとつ一つを具体的に見るとたくさんの違いがあります。色や形だったり、味だったり、産地だったり、盛られている位置も微妙に違うでしょう。

 

 

ですが、この皿の上に盛られているものは、結局はバナナです。具体的にみるとそれぞれ違いはあれど、要するにバナナなのです。この要するになんなのか、を考えるのが抽象化思考です。具体的な細かい違いは捨てて、共通部分に絞るのです。

 

 

具体的であることの特徴は、わかりやすい、細かい、解釈の余地が広い、主観的、などがあります、それに対して抽象的であることの特徴は、わかりにくい、現実的でない、応用が効く、客観的、などがあります。

 

 

抽象化の最大のメリットは、一を聞いて十を知ることです。先のバナナの例を使います。もしあなたに具体的な視点しかなかったら、バナナを食べて「美味しい」という感想を持った際、「このバナナ美味しいね」で終わるんです。それ以上に広がりはありません。

 

 

ですが、もしあなたに抽象化の視点があれば、「このバナナ美味しいね。ということは、さらに盛られた他のバナナも美味しいに違いない」などと、他のバナナにも想像が及ぶんです。なぜなら、細かい違いはあれど、さらに盛られているのは、結局はバナナだと分かっているからです。

 

 

例えば今日、初めて会った人と一緒に仕事をするとします。そんな人が眉間にしわを寄せていたら、「この人、やりづらそうだな」って思うと思います。初めて会った人でも、顔の表情から、その人がどんな人なのか想像できます。それは、過去に眉間にしわを寄せた人と一緒に仕事をして「やりづらい」という感想を持ったことがあるからでしょう。一つの経験から、まだ経験していないことを想像することができるんです。

 

 

この抽象化思考がなぜ犯罪対策に役立つのかというと、客観的に物事を見られるようになるからです。一歩引いて全体を見ることができるようになるんです。

 

 

犯罪と関わる仕事をしてきましたが、犯罪者というのは自己中です。相手や全体よりも、自分の都合やエゴや欲求を優先するために、犯罪を犯してしまうんです。自己中や自分勝手が、犯罪を生むんです。ドロボーも、詐欺も、暴力的な犯罪も、車の犯罪も、すべて自己中がその根幹にあるんです。

 

 

ですから、自己中の正反対である素直さを身につければ、犯罪は無くなります。素直さを身につけるには、抽象化思考が必要です。物事を客観的に見ること。自分以外の価値観を持った人間がいることを想像できること。自分の価値観を押し付けようとせず、一つ上から俯瞰したり、相手の考えを想像する視点を持てること。そんな素直さが、犯罪を無くすには必要なんです。

 

 

抽象化思考を身につけるとまず、「間違っているのは自分ではないか」と思えるようになります。自分と対立する価値観を持っている人間が現れた際、相手を攻撃することがなるなります。それは、自分がわからないことを、目の前のこの人は分かっているんではないか、と想像できるからです。

 

 

次に、断絶しないで考えられるようになります。これは、同じ類として相手を考えられるようになるんです。結局は同じ類のもの、として見られようになります。線を引っ張らないってことです。排他的になり、相手を攻撃することの理由は、ウチとソトを分けるからです。「ウチの人間でない者に仕事を回すな」とか「ウチはウチでやる」とか、線を引っ張ると、何かと排他的になります。

 

 

最後に、寛容的になれるんです。だいたいで物事を考えられるようになります。「どっちでもいい」と思えるようになるんです。物事は善と悪、どっちに転ぶかわかりません。「一見悪いように見えても、一歩引いて見ると良いことだった」ことは沢山あります。包容力を持って考えられるんです。

 

 

このように、犯罪とは自己中であり、自己中をなくすには、抽象化思考という想像力が必要です。抽象化思考は、主観から客観に持っていくためのツールだからです。犯罪を無くすのに、大掛かりなものは何も必要ありません。手ぶらでオッケーです。頭の中をフルに使って想像すること。それこそが犯罪を無くすのです。

 


 

 

 

 

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非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。

 

 

子どもは周りから吸収する度合いが強いので、子どもの成長は周りの大人次第の側面があります。「周りの大人が自己中から脱し、素直な頭を持つ事で、接する子どもにも好影響を与えよう」というのが、この小冊子の狙いになります。

 

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