はじめての「アンガーマネジメント実践ブック」 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー
もしあなたが「怒りの感情についてもっと知りたい」「怒る頻度を減らしたい」「怒って損をしていることがある」と考えているなら、アンガーマネジメントについての本を読むことをおすすめします。
アンガーマネジメントは、怒りの感情と上手に付き合う方法です。
私も「アンガーマネジメント」という言葉を聞いたときは、「そんなものがあるのか」と感心しました。「怒りをうまくコントロールする方法が考えられている」ということは、それだけ多くの人が「怒り」について悩んでいるということなのでしょう。
本書では、「怒りを瞬間的に生まれるものではない」と説いています。怒りは、3つのステップを経て生まれます。
1 出来事にあう
例えば、子どもがまた宿題をやっていない。
2 意味づけを行う
親の言うことは聞くべきなのに。親の話を聞いていないのではないか。
3 怒りの感情が生まれる
怒りの感情が生まれる。
という具合です。ですので、重要なのは2の「意味づけ」となります。自分が怒るような意味づけをすることなく、ポジティブな意味づけをすることが、怒らない鍵となりそうです。
上記の例で言えば、「何か宿題をやることができない理由があったのではないか」「子ども自身は宿題を無理してやることはないと考えているなど、自分の考えがあるのではないか」などです。
以前「嫌われる勇気」でも読んだのですが、人は瞬間的にカッとなる訳ではありません。「出来事」と「怒り」の間には、自分自身の感情や考えあります。出来事があった後、自分自身の感情や考えを経て、人は怒るようになっているのです。
怒りも、もののとらえ方や考え方一つです。「そんなことは許せない!」とも「ふーん」とも「なんて歓心なんだ!」とも持っていくことができます。
子育て世代は、常に子どものことで頭がいっぱいです。子どもを第一に考えるからこそ、子どもが大事だからこそ、子どもに自分よりもいい人生を歩んで欲しい、と考えるからこそ、「こうして欲しい」と押し付けようとする感情も出てきます。
ただ、押し付けようとすればするほど、子どもから笑顔がなくっていくものなのでしょう。自分が怒りっぽいことを認めること自体が、腹立たしいことではありますが、子どものため、直視して見つめ直すしかありません。
怒りを上手にコントロールする向こう側にこそ、子どもの笑顔があります。
本書では自分の怒りの傾向を知ることができる診断書もついています。自分のタイプを客観的にいい機会となります。
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