すべての本の共通点。本には何が書かれているか〜ドラえもんの読書感想文が書ける

2021.01.25 (月)

 

 

僕は本が好きなわけだけれど、いまいち本の凄さを把握しきれていない。

 

 

本というのはある意味「完成形」のように思える。コーヒーを片手に椅子に座って本を読む姿。手に持った本に視線を落とす人の振る舞い。本に書かれた文字を追う視線。僕はそれが、人間の最も崇高な姿のようにも思える。

 

 

もちろん、僕は多様性も認めている。本を読むのが「あるべき姿」のように思いつつも、多様性も「認めなくてはならないもの」だと思っている。なので「皆んなが本を読むべきだ」と他人に押し付けようとしてはいけないと思うし、本を他人に押し付けた途端、本を読んでいることが自分に生かされていないことになる。

 

 

難しい所だ。僕は本から色々と学ばせてもらった。僕の視野に入るものはすべて、本を経由して入ってきたといっても過言ではない。思想、社会の見方、歴史上の偉人。どれも本を読んで知見として得たものだ。色々な人やライフスタイルがあることも本から学んだ。

 

 

本は素晴らしい。けれどそれを他人に押し付けた途端、多様性とは対局にいることになる。本から何も学んでいないことになる。これまでの読書が否定されてしまう。本から多様性を知ったけれど、多様性を信奉しているがゆえに本を人にすすめることはできない。

 

 

おそらくここが「我慢すべきところ」なのだろう。読書を勧めたいけれど勧めてはいけない。僕が本を読むことで、その姿を見せることで、本を読むことの気持ちよさに他人が気づいてくれる。本を読むことは我慢を覚えるということか。

 

 

冒頭で「本の凄さを把握しきれていない」と書いたけれど、本の凄さを人に説明しようとしてもなかなかできないのが、その理由である。僕自身が本をわかっていない。

 

 

けれど最近、本の凄さ、というか本の把握の仕方を教えてくれた本に出会った。本というかマンガだけれど。

 

 

その本は本屋の中の「小学生向けコーナー」にあった。「ドラえもんの学習シリーズ 国語おもしろ攻略 読書感想文が書ける」という本だ。

 

 

軽い気持ちで読み始めた。小学生へのアプローチの仕方を知りたくて読み始めた。ライティングは自分でも書いているので思うところがある。ライティングの本だって読んでいる。ある程度項目立ててライティングのスキルを一覧にすることくらいはできるけれど、それはあくまでも社会人を対象にしたものだ。

 

 

それが対象を小学生にするとどうなるのか。その辺りを調べたくて、小学生向けのマンガを手にとってみた。

 

 

どこか「舐めていた」感はある。こんなに「ああ、本とはそういうものなのか」と、歴史上の大発見をしたかのような感覚を得られるとは思ってもみなかった。

 

 

この本は、のび太が読書感想文を書かなければならないことになり、どうやって読書感想文を書けば良いのかを探っていくストーリーである。その中で、ドラえもんの提案で「明治時代の文豪に本について聞いてみよう」という話になる。それでタイムマシンに乗って夏目漱石に会いに行くのだ。

 

 

本についてのび太から聞かれた夏目漱石は答える。

 

「まずは、本の共通点を探ってみることだ。」

「共通点?」

「そう。本には必ず共通点があるんだよ。その1。人は人しかテーマにできない。主人公がたとえ猫だったとしても、人がどうあればいいかをテーマにしているんだ」

 

 

こんな調子で夏目漱石は、本の共通点について答えていく。それは「本とはどういうものか」という本の本質に迫った答えだ。

 

 

夏目漱石は全部で5つ、本の共通点を示している。

1 人は人しかテーマにできない。

2 必ず行き方について語っている。

3 人が作った話には必ず目的と願いがある。

4 人が生きていく上で考えなければならないことがテーマになっている。

5 必ず作者のいけんが語られている。

 

 

この5つを統合して考えると、本とは「作者の人生観について書かれたもの」ということになる。「人生で大事なものは〇〇だ」「人生はこうあるべきだ」「人生とはこうであって欲しい」という作者の願いや志しが書かれたもの。それが本ということになる。

 

 

たとえば料理について書かれた本があるとする。確かにその本は「料理について書かれたものであって人生観について書かれたものではない」という意見もあるかもしれない。けれど作者は「人生において料理が大事な位置を占めている」と考えているからこそ、料理についての本を書いたのだ。

 

 

本を作るのは疲れる。とてつもないエネルギーが必要になる。そんなエネルギーが必要な代物をつくろうということは、それだけ人生を賭けていなければ作れるものではない。信念、思想、一番好きな対象を本のテーマにするからこそ、作者はそのテーマについて本にまでできるのだ。

 

 

本とは、作者の人生観について書かれたものなのだ。

 

 

何か物事を理解しようとするとき、その対象の範囲を決めると理解がしやすい。

 

 

警察官をやっていたときも「実況見分」という、事件現場について詳細に記録する書類があった。「玄関ドアから南東方3メートルの地点にドライバー1本を認め……」とか「台所内には茶色木製食器棚が設置されており……」なんてことを書いていった。

 

 

実況見分を書く時の鉄則に、「外から内」というのがあった。広いところから記録していって、徐々に事件の中心地に向かって記録していくというものだ。まず「一番広くとるとここまで」「ここの線が境界、すべてはこの内側にある」という限界線が意識できると、後はその内側を観察すればいいだけなので、脳が安心する。

 

 

マラソンでも走る距離を言われないで走るのと、あらかじめ「今日は〇〇キロ走ります」と提示されて走るのでは負担が違う。「最低でも〇〇キロ」という限界がわかっていれば、あとはその内側に意識を向ければいいだけだからだ。

 

 

僕は「ドラえもんの学習シリーズ 国語おもしろ攻略 読書感想文が書ける」を読んで、本の限界について知ることができた。「本とはこういうものだ」という一番外側の線を知ることができた。であれば本を読むとき、後はその内側に意識を向ければいい。

 

 

読書の時に、「この本には作者の人生観が書かれている」と思って読めば、その本を理解しやすくなる。

 

 

本を読むときは「作者の人生観が書かれている」というのを念頭に置いて本を読んでいただきたい。そうすれば、本を把握しやすくなる。本の内容も入ってきやすくなるはずだ。作者の思念が表れている行間も読みやすくなるはずだ。

 

 

作者の人生観が書かれている。

 

 


 

 

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