岸辺露伴から教わったリアリティーの話。文章と言葉に説得力を持たせる方法

2021.01.17 (日)

「ジョジョの奇妙な冒険」に最近ハマっている。ジョジョはとてつもなく長いマンガだ。もちろん全て面白いわけだけど、最近になって特に凝って読んでいるのは第4部の岸辺露伴が出てくるパートだ。

 

 

 

 

昔読んでいたのを思い出して最近また読み始めた。この岸辺露伴のパートを読むに至ったのは、2つの要因が重なり合ってである。まず1つ目の要因としては、NHKでドラマ「岸辺露伴は動かない」が作られたこと。

 

 

100分で名著

最近NHKオンデマンドに加入したのだけれど、「岸辺露伴は動かない」を見たくて加入したのではない。元々は「100分で名著」を見たくて加入したのだ。「100分で名誉」は面白い。名著を読むきっかけ、名著を読んでいる際の推進力、名著を読んだ後での補足に役立つ。難解な名著を読む前、読んでいる最中、読んだ後、それぞれの場面で後押しになるのだ。

 

 

「100分で名著」は、難解な名著のステップとして見るといい。

 

 

名著には難解なものが多いわけだけど、難解な本には解釈を助けるための入門本が出版されていることが多い。

 

 

デカルト、ウィトゲンシュタイン、カントなど、多くの難解な本には読者を助けるための、言わば「本ちゃんを読むためのステップ本」がある。「ウィトゲンシュタイン入門」とか「カント入門」という本だ。

 

 

と同時に、そのステップ本を読むことをバカにする風潮も世の中にはある。「解釈本なんか読んでいないで、本ちゃんを読め」と。「デカルト入門を読んでいないでデカルトそのものを読め」と。

 

 

確かに「いつまでも周りを固めていないで、本ちゃんを頑張って読むべきじゃないか」という意見もわからなくはない。夢を叶えるための方法のようなものだ。

 

 

「起業する」という夢を持っているなら、大学に進学して経営を勉強するのではなくて、今すぐにでも起業するべきというのと同じだ。人のカウンセリングをしたいのであれば、学校で心理学を勉強するのではなく、今すぐにでもカウンセリングを始めるべきというのと同じだ。実践に勝る学びはない。

 

 

けれど、難しい本の入門本を読むのはただのステップとしてはなくて、もっと広い意味での本ちゃんを読むための助けになる。いや、「助けになる」という意味にはとどまらず、本ちゃんを読んでも得られない広がりを持つことができる。入門本を読むことには、本ちゃんを読むことの延長上にあるだけではなく、別の線上の意味を持つ。

 

 

例えば、時代背景を知ることがそれだ。

 

 

例えばドストエフスキーの「罪と罰」。「罪と罰」をただ読んでも良いのだろうし、「罪と罰」そのものを読むのが本当の文学なのだろうけれど、「100分で名著」を見ることでドストエフスキーが置かれた環境や「罪と罰」が書かれた時代の状況を知ることができる。これは、ただ「罪と罰」を読んで終わりにするよりも、もっと広い視点を得ることができる。

 

 

例えば宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」。ただ「銀河鉄道の夜」を読んでもいいし、「銀河鉄道の夜」そのものを読むのがほんとうの意味での文学なのだろうけれど、「100分で名著」を見ることで、宮沢賢治が生まれ育った背景と、その中での「銀河鉄道の夜」という風に、1つメタな視点から作品を読むことができる。

 

 

「100分で名著」を見ることは、難解な名著を読むためのステップ、手助けとして見られがちだ。けど「そんな番組を見るくらいなら本ちゃんを読めよ」とも思われがちだ。けれど、よりメタな視点で作品を読むための方法であり、より作品を味わうために必要な手段であるとも思っている。

 

 

「100分で名著」を見たくてNHKオンデマンドに加入したら思わず「岸辺露伴は動かない」を見つけて岸辺露伴のことが頭に住み着いた、ということだ。それが今、ジョジョの第4部を今読んでいる理由の1つ目。

 

 

BAKUMAN

それともう1つ、マンガ「BAKUMAN」を読んでいるのだ。どちらも漫画の作者が登場人物として出てくる。「BAKUMAN」を読んでいるのは、ネットでの知り合いがBAKUMANを溺愛していたからだ。もともと「その人が文章が上手い」というのがあるのだけれど、その人が書いたBAKUMANを溺愛するネット記事を読んでハマってしまった。見事に釣られたわけである。

 

 

実際、読んでみると面白い。クリエイターのリアルが描かれていて、感情移入しやすい。それと参考になる。助けにもなる。サイコーとシュージンがネタに悩んでいるところなんて「わかるわかる」と共感するし、新妻エイジの言葉なんて、面白いものを作り出すときの参考になる。

 

 

「キャラは勝手に動き出す」なんて言葉は、自分をセルフブランディングする際の手本になる言葉だ。キャラが読者を想像させるように、セルフブランディングする側はお客さんを想像させなきゃならない。

 

 

「助けにもなる」というのは、「この人たちでもこうなんだから」という意味。「ジャンプに連載作品を持っているマンガ家」という設定のサイコーやシュージンたちでさえ、日々悩んで努力して壁を乗り越えているのだから、自分たちが苦しい思いをするのは仕方のないことだと勇気をもらえる。

 

 

というわけでBAKUMANが面白くて読んでいるのだけれど、「マンガ家が登場人物」という意味で思い出したのが岸辺露伴である。BAKUMANを読んでいて、「そう言えば岸辺露伴のところを読めば自分の作品にプラスになるかな」と思って読み直したのだ。ドラマ「岸辺露伴は動かない」を見ていて、頭にすでにいたので連想しやすかった。

 

 

そんな、ドラマ「岸辺露伴は動かない」を見ていたのと、マンガ「BAKUMAN」を読んでいたという理由で、ジョジョの第4部に跳んだのだ。

 

 

リアリティー

岸辺露伴のセリフで好きなのがある。それは「面白い漫画に必要なのはリアリティーだ」というところ。岸辺露伴は、家を訪ねてきた康一たちに突然しゃべり出す。「ところで、面白いマンガとはどんなものだと思うね?」と。その後で続けて連ねるセリフが、「面白い漫画に必要なのはリアリティーだ」だった。

 

 

この岸辺露伴のセリフを僕なりに解釈すると、「本音」ということになる。上辺だけの「ウソ」「タテマエ」ではなく、気持ちの奥底にある本当の気持ちだ。表面的な浅い気持ちでなく、「本当はどうなの?」を繰り返して、ようやく見えてくる本音。見栄や思い込みで覆われている殻を剥ぎ取ることであらわれてくる気持ちの本音。それこそが岸辺露伴がいう「リアリティー」に違いない。

 

 

というのも、文章でもなんでも作品とは、本音を書いてこそ説得力が出てくる。論理的な方法による説得力では及ばない、書き手のエネルギーから訴えられる説得力だ。

 

 

本屋でもネットでも、調べようとすれば「文章に説得力を持たせる方法」「説得力のある文書の作り方」なんてのは書いてあって、それらは大抵論理的に説得力を持たせる方法である。

 

 

けれど一番の説得力とは、リアルを書くことなのだ。本音を書くことなのだ。見栄や思い込みを剥がし、疑い、「それって本音か?」「なぜそう思う?」「実際はどうなの?」などの質問を繰り返していった先にある気持ち。それを作品に表現させることで、説得力が出てくる。ギャグは説得力をもって面白くなるし、シリアスは説得力をもって読者を切実な気持ちにさせる。

 

 

これを少し見方を変えて言ってみると、「作品には作者の本音が表れている」とも言える。主要な登場人物、最後に勝つ登場人物には、作者の心のリアリティーが表れているのだ。そうでなくては、作品は面白くならない。そうでなければ、読者を説得するためのリアリティーを持ち得ない。

 

 

優れた作品には、作者の本音が表れている。「どうしてその作品が優れた作品足り得るのか」という疑問があるとすれば、それはリアリティーが描かれているからなのだ。嘘偽りなく表現された世界。心を閉ざすことなく、表面的に切り抜けるわけではなく、すべてを開放したエネルギー。気持ちのリアリティーがあるから、マンガだって面白くなるし、文章だって面白くなる。それが説得力だ。

 

 

読んでいる者を、登場人物を同じ気持ちにさせる。共感させる。登場人物と同じように感動させる。やる気にさせる。読者は登場人物によって説得させられている。そんな優れた作品とは、リアリティーがうまく描かれている作品なのだ。

 

 

創作物を優れた作品にしようと思えば、気持ちを開放しなければならない。どこまでも掘り進めなけれあならない。何のことはなない。どこまで想像を膨らませられるかという外側に向かうベクトルではなく、どれだけ掘り進められるか、という内側に向かうベクトルが、創作には必要なのだ。

 

 

社会で生活していると、ホンネとタテマエを分けることが身にしみてくる。オートマチックに表面的なウソをついてしまったり、深く考えずに本音とは別の答えを用意したり。そんな心の奥底をさらけ出すことをしないで日々を過ごしてしまう。

 

 

けれど、結局は本音を言ったものが強いのだ。裏表のない生活が生きやすいのだ。嘘をつかないことほど見方を集めることはないのだ。夏目漱石の作品「明暗」には、心のウラとオモテを使い分けた様々な人たちが登場する。

 

 

津田は妻を心底信頼していないにも関わらず、妻には「信頼している」と言い、自分を信頼するように妻を仕向ける。お延は夫婦関係がうまくいっていないにも関わらず、実家ではそんなことが無いかのように振る舞っている。吉川夫人は津田やお延に対する策略があるにも関わらず、無いかのように振る舞う。

 

 

「明」と「暗」の思惑や人間関係が表現されているのが「明暗」なのだ。あんな人間関係のある世界が生きやすいかというと、決してそんなことはない。登場人物の皆んなが皆んな、体裁を整えるウソをついた挙げ句に不幸せな環境に陥っている。ウソをつくことで相手を説得させられず、表面的な言葉で自分を守ることによって相手に理解されず、疑いをもってしまうのだ。

 

 

嘘をつかない人間は強い。しかも楽だ。余計な策略を頭の中に張り巡らすことがないので、エネルギーの容量は本来使うべきことに使うことができる。

 

 

ウソはつかないに越したことはない。常に心をオープンにするのだ。言葉も文章も説得力が出てくる。相手が納得する言葉とはホンネなのだ。生きやすい世の中にするため、社会の中でうまく生き抜いていくため、ホンネを言おう。「体裁を整えるにはどうすればいいか」ではなく、ホンネをいうことで整えられるのが体裁なのだ。

 

 


 

 

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