日本語文章を書く際の注意点とは。AERAのムックで大御所連中が言っていたこと

2021.03.29 (月)

 

山田ズーニーさんの『あなたの話はなぜ「通じない」のか』は、語りかけるようなう文章が体の中にまで響く。学生の頃、教室で先生からめったに無い良い話を聞いているような心地。プレゼンターが、心を開けて聴衆に問いかけているような空気。余韻が残る。

 

 

以前、『伝わる。揺さぶる!文章を書く』を読んだときもそうだったけれど、この方は文章を書く時に、「論点」を一つのキーワードにしている。僕も意識していなかったので、とてもいいツールを手にすることができた。アウトドアでうまく食材が切れない時に、友人から切れの良いナイフを「コレ使えよ」と渡されたときのような気分。論点は文章を書く際の良いツールになる。アウトドアなんて僕は行かないけれど。

 

 

 

 

論点とは「問い」のことだ。問いがあると、書いている文章に一本の芯が通る。道を迷わずに目的地まで進むことができる。いや、文章を書いていて迷わないことなんて無いのだけれど、その都度チェックすることができる。

 

 

誰でもあるだろう。「あれ、なんのことについて書いているんだっけ?」というとき。そんな時に論点を確認することで、元いた道に戻ることができる。そういう意味では地図とか命綱に例えられるかもしれない。踏み外した時に復帰することができるのだ。

 

 

論点は、問いの形だと一番威力を発揮するようだ。そうズーニーさんは言っている。

「なぜ〇〇なのか」

「〇〇なのはどうしてか」

 

 

論点を明確にする。「自分は何について書いているのか」を意識する。そうすると、つまりは読者にも優しいということだ。論点を明確にしていれば、完成された文章を読む側にとっても、目で文を追いやすい。内容を咀嚼しやすい。平明で読みやすい文章になる。

 

 

簡単な言葉を使うとか、主語と述語を近くに置くとか、一文を30文字以上にしないとか、平明な文章を作るには幾つか方法がある。けれどそれ以上の本質論として、論点が明確であることが平明な文章に繋がるのだと思う。

 

 

書いているときは気持ちが良い。文字をつづることは、カタルシスの解放である。走っているときと同様、セロトニンが分泌されているのを感じる。そんな時気持ちよく走っているときに、いちいち手の振り方や足の歩幅を気にしていたら、せっかくの気持ちよさが逃げてしまう。純度100パーセントの中に、不純物が混じってしまうようなものだ。快楽が半減してしまう。

 

 

書いているときだって気持ちよく書きたい。キーを打つ指の感触。表示される文字の少し先を予想して追いかける脳みその回転。具体化されていく自分の思考。それら全てが気持ちいい。書く、あるいは打つという快楽行動の中で「あ、一文が長くなりすぎた!」とか「え……と、もう少し簡単な言葉ではどう言うんだっけ?」とか、そんなことを気にしていたら楽しくなくなってしまう。「せっかく気持ちよくいるのに……」と、好きで見ている映画の一番いいところで家族から水をさされたような気分だ。

 

 

そんな時に、初めに一つ論点を明確にしていれば、あとはそこに向かって突き進むだけになる。道を踏み外さないように。たとえ踏み外しても、そこから転回して戻っていけるように。道標を設けていれば、道中は全力で駆け抜けることができる。「書く」という快楽を求めることができる。

 

 

で、この『あなたの話はなぜ「通じない」のか』の「あとがき」で面白そうな本が紹介されていた。なんでも、文章に関するムックだという。著者の山田ズーニーさんは、この本で著書が紹介されているのを見て感激したという。

 

 

だったら僕も買ってみなければなるまい。「面白い」と思った著者が感激した、文章に関するムックである。「どのようなものか」と興味が湧いた。

 

 

というわけで、買ってみた。Amazonとは便利である。グーグルも頭がいい。「日本語文章」とか「ムック」とか、そんな検索ワードですぐにたどり着いてしまった。過去の本でも雑誌でも取り寄せてしまう。

 

 

 

 

セレンディピティという言葉がある。ウィキペディアによると、

「素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。」

のだという。

 

 

ちょうど今、僕は個人出版で雑誌を作っているところだったので、うまく手本となる雑誌に出会えたような感覚だ。日本語文章についてのムックである。ページをめくれば、日本語文章について携わっている人たちの熱い思いが綴じられている。

 

おそらく綴じられているのは、日本を代表する文章家の人たちなのだろう。小説家とか評論家とか、そんな肩書の記事が本に詰まっていた。

 

 

ムック自体の読みやすさも丁度いい。文字が大きすぎず、小さすぎず。余白も広くとってあって、アリがたくさん並んでいるような文字の羅列による圧迫感がない。それでいて濃い内容が失われないような文字量でもある。「読もう」という気にさせる塩梅なのだ。

 

 

まだ全部読んだわけではないけれど、エッセイストと名乗る人たちの文章が面白かった。おそらくそれぞれが、文章について四苦八苦して、その末にムックに記載されるだけの地位を得たのだろう。皆んなが文章に悩んでいるのだ。「ああでもない、こうでもない」と実験を重ね。「法則を見つけた!」と思っては、数ヶ月後に「やっぱり良くない」と法則を捨て。「原点に戻ろう」なんて何回目かの言葉を言って。

 

 

そんなこんなで文章家としての自分を確立していったのではないかと思われる。しかも、このムックに記載されているのは、日本語文章を書いている人たちの、ごく一部である。比較的に日の当たる場所で書いている人たちである。

 

 

人知れず日本語文章を書いている人たちは大勢いるのだ。「日本は狭い」と言えど。

 

 

だから、このムックを読んで勇気をもらった。

 

 

文章を書いていると凹むことが多い。気合を入れて書いたものがまったく読まれなかったり。せっかく自分の内面を出してみたのにバカにしたようなコメントをつけられたり。それでも「書きたい」欲求が湧いてくるから変な話ではあるのだけれど、とにかく皆んなが頑張っているのだ。

 

 

このムックに出てくる多種多様な人々。皆んなが皆んな、勝手なコトを言っている。「独りよがりになるな」とか「書き手の視点の鋭さや深さ」とか「自己探求だ」とか。あとは「文章読本なんか忘れてしまえ」とか。大御所連中が集まって、それでいて言いたいことを言い放題ということは、決まった型が存在しないということだろう。文章を書くことにおいて。自分を信じるのみで、あとは地道に書いていくしか上達への方法はないのだ。

 

 

このムックの一番はじめに記載されている文章で、『人はなぜ「書く」のか』という記事がある。書くことは、つまりは内省なのだという。自分との対話だ。「読者からの自由」とまで言っている。紀貫之の土佐日記も、読者が想定されて書かれたものではない。後世になって文学性に皆んなが気づいて、勝手に古典に仕立て上げた。当の貫之本人は迷惑に思っているかも知れなという。

 

 

僕たちは文章を書く際、「読者を意識」して、「相手目線で」なんて言っているけれど、それすら絶対ではないのだ。「こうすれば独りよがりにはならないだろう」という思い出すら、主観によるものでしかない。他人に見てもらったところで、たかが知れている。

 

 

結局は書くしか無いのだ。

 

 


 

 

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