人に伝える時は、どうして具体的なものを混ぜるのか
例えば、考える時は抽象的であることの方に重きを置きます。考える際は、基本的には自分一人です。純粋な「考える」の時には、自分一人の中で全てが完結します。そんな時は、具体よりは抽象を意識した方がいいでしょう。抽象はまだ何も決まっていない状態です。白紙の様なものです。ゼロの状態から、つまり「そもそもどうなの?」っていう段階から考えたほうが、より純粋に自分の考えを突き詰められるのではないでしょうか?
では、人に伝えるときはどうでしょう?人に伝えることは、ある意味、考えることとはベクトルが逆になります。自分向きだったベクトルが、相手に向くのです。自分一人で完結していたものが、相手があって初めて完結する様になるのです。
そんな時は、具体を重視すると良いでしょう。モヤモヤとした抽象よりも、はっきりとした具体に重きを置くのです。なぜなら、人は具体を好むからです。
自分で考える時は、抽象的であるべきです。自分に厳しくです。モヤモヤとしたつかみ所のない課題をあえて自分に課すことで、越えなければならないハードルを高くするのです。
でも人にそれを強いてはいけません。ただの独りよがりになってしまいます。人には優しくが鉄則です。わざわざ考えることをさせる様な、抽象的な表現はご法度なのです。そもそも考えることは人から「させられる」ものではありません。自分で問題意識を持って、自分で必要性に迫られて、自分で進んでする、自主的なもの、積極的なもの、自発的なものです。「人に考えさせる」ことは矛盾をはらんだ言い方なのだと思います。
それと、人は他人から具体的に扱われることを好みます。例えば誰かにとっておきの話をした際、「ああ、よくある話だね」と一般的に返されるのと、「それは貴重な体験をしたね」と特別視されるのでは、どっちが良いでしょうか。当然、特別視されることを好むはずです。
人は「自分が特別だと思いたいし、特別だと思っている」のです。それは、「人は他人を一般的に扱いたいし、一般的に扱っている」ことの裏返しでもあります。人は人から一般的に扱われがちなので、せめて自分では特別視したい生き物なのかもしれません。
自分っていう存在は、何者にも変えがたい唯一無二の存在だと思いたいものなのだと思います。居酒屋でサラリーマンがよく言っていますよね。「うちの業界は特別だから」とか「うちの会社はひどいよ」とか「俺なんか」とか。あれっていうのは、自分を特別視しているが故の発言です。
それなのに、人に対しては一般的に扱うんですよね。他人から「俺なんかこんな経験されたぜぇ?」っていう類の話をされた時、おそらく多くの人が、それに被せる様に「俺なんかもっとこんな経験だぜぇ?」って言っていないでしょうか? 自分は相手よりも特別だと思っているが故に出てくる言葉でしょう。
人は具体を好みます。誰もわざわざ「考える」などという面倒をしたく無いからです。それに、特別視されたい生き物なのです。それは、他人を一般的に扱ってしまうことの裏返しでもあります。
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