子どもに与えたい、多様化の時代に必要な能力とは

2020.09.26 (土)

今日、とある場所でプレゼンをする機会があった。

 

 

20人ほどが集まっての、各自の仕事に関する近況報告である。一人の持ち時間が30分で、それぞれが今現在の仕事の状況を発表したり、または商品としての提供を考えているセミナーのプレ提供の場として使ったり、である。

 

 

ちなみに集まった場所はオンライン上だった。本当は都内の集まりやすい場所に部屋を借り、リアルで集まっての開催にしようと考えていたのだけれど、コロナ禍を鑑みオンライン上に集会場所をつくったのである。

 

 

一人ひとりのプレゼンを聞いていて思ったのは、「この先僕たちは、今まで以上に表現力を身に着けなければならない」ということだ。他人に対して自分の考えを伝える力。自分はこんな人間で、こんなことを考えていて、こんなことをしようとしている人間です、という自分の内面を伝える力だ。

 

 

というのも、時代は「多様化」だからである。

 

 

僕は権威というのが嫌いだ。世の中には僕と同じように「権威が嫌い」とか「マジョリティーでいるよりマイノリティーでいる方がいい」という人がいるけれど、僕がいう「権威」とは、周りの人がいう「権威」よりも範囲が広い。

 

 

たくさんのお金を持っていたり、高い地位に就いていたり、大きな会社に勤めていたり、ステータスといったものに嫌悪感を感じるのはもちろん、キャリアとか資格というのにも、僕は同じような嫌悪感を感じる。

 

 

キャリアを気にするとか資格をとるとか、結局は他人の権威に頼る行為に他ならない。自分に箔をつけて自分を大きく見せようとする手段そのものだ。「何か絶対的な価値観があって、自分にはそれが足りていないから取り入れよう」みたいな。そんなニオイがキャリア形成とか資格取得にも感じるのであって、そんなのは権威にすがる人間と同じではないか。まるでこれ見よがしに自分の金持ち具合をSNSで投稿することのようではないだろうか。

 

 

もしも本当に多様化の時代であって価値観が多様化していると思うのであれば、わざわざキャリア形成とか資格取得なんてする必要はないのではないか。一律的な価値観に頼るのではなく、自分の内にある個性を尊重する。「アナと雪の女王」の主題歌で「ありのままの自分に……」という歌詞が数年前に流行ったけれど、本当に僕は素のままの自分を認める必要があるのだと思う。

 

 

キャリアとか資格とか、自分に箔をつけるような外部の価値観に頼るようなことはせずに、自分の個性を全面に出すことをしなければならない。そんな時代をつくるには、努めて権威から距離を置かなければならない。

 

 

けれどそんな多様化の時代、権威から距離を置く時代にあって、「これがなければ始まらないんじゃないか」と思うものがある。それは表現力だ。伝える力だ。「自分なこういう人間です」と相手に自分の内側を伝達する手段だ。

 

 

確かに個性的なのはいい。自分の外にある絶対的な価値観・権威に頼るよりも、自分の内側にある個性にスポットを当てる。素のままの自分で勝負する。そんな千差万別な個性が評価される多様化の時代。そこまではいい。けれど、その個性を人に伝える手段が陳腐だったら、個性が宝の持ち腐れになるのではないか。

 

 

せっかく良いものを持っているのだから、というか「持っているのが良いものかどうか」という尺度ですらなく、「個人である」というだけで価値が認められる時代なのだから、「個人がここにいる」「ここに個性がある」ということを外部に宣伝しなくてはならない。伝える力がなくてはならない。

 

 

個性が尊重される時代、多様化の時代であるからこそ、僕は「自分の内側をいかに他人に伝えるか」の表現力が必要なのだと思う。

 

 

表現力とはスマホのようなものだ。

 

 

スマホを持っていれば、色々なものにアクセスできる。電話機能、カレンダー、インターネット、メール、ゲーム、録音機能、ワープロ機能。生活に必要な機能はすべてスマホに内蔵されており、スマホが「どこでもドア」のようにアクセスの手段になっている。スマホを持っていれば生活に必要な手段への扉は開かれていることになる。

 

 

これと同じで、表現力さえあれば、様々な個性を発揮することへの扉が開かれていることになる。

 

 

今日の一人ひとりのプレゼンを聞いて、そんなことを感じた。プレゼンによって感じたのは、一人ひとりの個性だ。ある人は日本のものづくりの低迷さを嘆いていた。ある人はデザインについての考えを指南していた。ある人は物理の美しさを仕事にできないかと模索していた。ある人は投資で生活基盤をつくることの重要性を説いていた。

 

 

一人ひとりが個性を発揮したプレゼンだった。そこに優劣はない。なぜなら多様化の時代だから。それが個性であるというだけで価値のあるものだと、僕は心底思う。

 

 

だけど聞き終わってみて、印象に残ったプレゼンと印象の薄いプレゼンがあったのも事実だ。共感できたプレゼンと共感できなかったプレゼンがあるのも事実だ。面白いプレゼンと面白くないプレゼンがあったのも事実だ。

 

 

この事実をどう受け止めるべきか。それは、伝える力の違いなのだと思う。持っている個性に優劣はない。一人ひとりの内側にある資源、これはそれぞれの人生を送る中で培ってきた固有のものであって、「誰一人として同じものない」というだけで価値あるものだ。

 

 

だとしたらこの、プレゼンを聞き終わっての各プレゼンに対する印象の違いは、表現力の優劣によるものなのだと思う。

 

 

大事なのだは表現力なのだ。いかに自分の思い、個性、「自分、こんなことを考えてます」というのを人に伝えるか。そこが、優劣の分かれ目になるのだ。

 

 

 

一人ひとりが持っている個性に勝ち負けはなく、どっちが上でもどっちが下でもない。けれども聞き終わったプレゼンに違いを感じる。だとすれば、この違いは表現力にあるのだろう。多様化の時代、個性が尊重される時代。問われるのは「自分の秘めたる思いを、いかに表現するか」である。

 

 


 

 

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