没頭への支援ができれなければ親の資格はない、とは言うけれど
いかに相手に合わせられるか。その忍耐が必要なのだと思う。
ホリエモンの動画を見たのだけれど、確かに共感できるものだ。子どもにスマホを与えて、あとは放置。特別に子どもに何かを教えようとするものでもなく。学校で勉強の成績があがるように支援しようとするわけでもなく。将来を見据えてキャリアが有利になるように早めに手を打とうとするわけでもなく。
親ができるのは支援であって、その支援の方向は、子どもの没頭が基準になる。子どもが没頭しているものに支援をして、没頭していないものには支援しない。親の好き嫌いが支援の基準に鳴ってはならない。
素晴らしい。これだと子どもの興味が促進されるし、「好きこそものの上手なれ」で伸びるのは興味のなる分野だろうし、いじめなんかで個性的という理由で周りの人間から潰されることもないだろうし、周りに合わせられない自分を責めることものないだろうし。
もしもこの子育てをどの親もが実践できれば、幸福度数のようなものは飛び跳ねて改善するのかもしれない。自分のやりたいことをやれるので、人生につまらなさを感じる人は格段に減るのかもしれない。
コメントも、この動画に「全面的に賛成」という意見が多く見られた。「そのとおりですね」とか「本当にそう思います」とか。
けど、ただただ「全面的に賛成」と言っているだけでは、受け取る方のリテラシーがないのではないかと思う。批判なく従っているだけでは、学校教育に従順な昭和時代の頭の人、あるいは旧日本軍の軍隊と何ら変わらない。
堀江氏の動画や言動に共感する人は、「世の中のこれまでの常識に逆らおう」という意見を持つ人が多いと思うけど、それでも疑うことなく従っているだけでは、旧来の学校教育でも堀江氏の意見でも同じだろう。
僕はこの意見を、懐疑的に受け止めている。この動画を見た僕のこの動画に対する批判的な意見としては、「忍耐が必要だな」ということだ。堀江氏の意見を実践するのは忍耐が必要なので簡単ではないな、というのが僕の意見だ。
もしかしたら、「簡単だろう」と思っている人が多いのではないか。堀江氏の動画を見て、これを実践するのは簡単だと思っている人が多いのではないか。だって、堀江氏が言っているのは、スマホを与えて、後は放置するだけだ。これほど簡単な子育てもないと単純には思える。
けれど、現実にはそうではない。子どもにスマホを与えて後は放置すること。それが難しいのだ。なぜか。それは忍耐が必要だからだ。どうして忍耐が必要なのか。子どもは自分の想像通りに成長しないからだ。
堀江氏の動画を見ただけだと、子どもにスマホを与えて放置すれば、あとは子どもが勝手に個性的な方向に成長してくれる、かのような言い方をしている。ITに詳しくなって、スマホを使いこなして。確かに言い方によっては「個性的な方向に成長する」と言えるのかもしれない。
でもそれは、親さえも理解できない方向に伸びることを意味する。「個性的である」ことの方向が、親の想像を超えているのだ。当初予定していたものの斜め上を行くのが、子どもの成長である。
たとえば、こどもにスマを与えれば、勝手にスマホを使いこなしてリテラシーを養ったりすることを期待してしまうが、おそらくそうなならないだろう。堀江氏の動画を単純に視聴しただけだど、子どもがどこかオートマチックに僕らの期待をいい意味で上回る成長をしてくれるような期待をもってしまうけれど、おそらくそうはならない。
子どもは親の期待を裏切るような成長を見せてくれるはずだ。そしてその裏切りの成長は、親にとっては「悪い意味」のように思える。
子どもにスマホを与えて後は放置するとどうなるか。一日中ずっと動画を見て過ごすようになるはずだ。そして学校の勉強もできず、算数の掛け算や割り算も満足にできず、友だちもできず。そんな子どもに育ってしまうはずだ。子どもにスマホを与えて後は放置するとは、そういうことなのだ。
ただし、それこそが堀江氏の言っている教育なのだろう。親は黙った従う。それが、親の期待を裏切る、という意味なのだ。
子どもにスマホを与えて後は放置。その難しさに多くの人が気づくはずだ。
子どもは親の期待の斜め上を行く。決して親の期待通りにはならない。親の価値観で考えると、期待していたものとは逆の結果が待ち構えている。
だから結局は、必要なのは忍耐だと思う。親からすれば、子どもの個性的な成長は「期待を裏切るもの」であるはずだ。けれどそこで方針転換してはいけない。なぜならそれが子どもにスマホを与えて放置することの真の意味なのであって、親の価値観で子どもを縛らないことなのだ。
子どもは親の期待を裏切って成長する。子どもは確かに個性をもって成長するけれど、その個性とは、親の当初の予定をも上回る。それを親としては、「常識的にありえない」と感じるだろう。そんな時に、それでも子どもの個性を信じて黙って従っていられるかどうか。
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