論理的思考が大事である〜考える技術
論理的思考の重要さを説いた本です。論理的思考を軸に、人を納得させる話し方とはどんなものか。人を動かすにはどのように話を展開するべきか。物事の本質を見抜くには、どのように考えるべきか。いかに疑問を持って考えることが重要か。アイデアは論理的思考の果てに出てくる。未来は論理的思考で予測することができる・・などについて書かれています。
本書を通して、著者のすごさが際立つ内容になっています。所々・・と言うよりもっと頻繁に、著者の凡人たるエピソードが出てきます。例えば、勝手にピラミッドストラクチャーができているエピソード。著者はコンサルティングなどで人の話を聞く際に、横書きノートであれば左端、縦書きノートであれば右端から、メモをとっていくそうです。
コンサルティングなので、経営に関して相手の悩みや疑問を解決しなければなりません。そう言う意識を持って相手の話を聴きながらメモをとっていると、話を聞き終える頃には、経営アドバイスの論理的なピラミッドストラクチャーがノートに出来上がっているそうです。
我々であれは、一通り話を聞いた後であーでもないこーでもない、と考えを巡らせるものだと思いますが、著者は一気に短時間で考えが出てくるそうです。
著者は論理的思考の他に、常に疑問を持って過ごすことが知的成長には必要だと説いています。周りの意見にただ同調するだけでなく、自分で「どうしてだ」と考えること。識者と言われる人たちの言うことにうなずかずに「本当にそうだろうか」「なぜそうなのか」と疑うことです。
そして人にアドバイスするとなると、自分で立てた仮説を、自分の足を使って検証して確認することをしているそうです。実際に何人もの人にインタビューをしたり聞き込みをしたりして、自分の仮説がただしいのか、あるいは間違っているのか、検証するそうです。
未来の予測には、機能分解が必要なことを言っています。例えば携帯電話の未来を予測する方法。携帯電話に使われている機能を分解して見ます。個々の機能を強化すると、どのような変化が携帯電話に現れるか。
センサーが強化されるとどうなるか。画像が綺麗になるとどうなるか。パソコン機能が高機能化されるとどうなるか。1つ1つの細かい機能についてそれぞれ考えていくと、携帯電話というまとまりの未来が見えてくるそうです。
全体的に著者の知的レベルの高さが際立つ内容です。2004年発行で新しい本ではないですが、普遍の思考方法が記載されいてるものです。
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