対人能力と考える力は真逆である〜考える力をつくるノート

2018.06.04 (月)

 

「対人能力は、地頭力とは真逆の姿勢を求められる」というのが面白いですね。効率を求めて思考重視になると、人から嫌われる存在になるということでしょう。思考力の観点からは正反対の態度、無駄を受け入れたり、相手の心情を推し量るような態度がいいのでしょう。

 

 

本書は基本的に、地頭力をつけることを推奨する本です。ネットで調べればなでも答えが出てくるこの時代、問われるのは自分で考える能力・地頭力なのです。地頭力のベースとなるのは、まずは「知的好奇心」。その上で「論理思考力」と「直感力」。

 

 

さらにその上で要求されるのが、「仮説思考力」「フレームワーク思考力」「抽象化思考力」です。仮説思考力は、結論から考える力。フレームワーク思考力は、全体から考える力。抽象化思考力は、単純に考える力の事です。

 

 

「対人能力は、地頭力とは真逆の姿勢を求められる」とは、この地頭力を押さえた上での注意事項になります。地頭力を発揮する場面を見極めないと、人から嫌われるということです。

 

 

まず地頭力では一般化して考えることが求められます。それぞれを特殊だと考えていては、応用が利きません。自分の目的に沿った共通点を探し出し、「つまりどういうことか」とシンプル化して考えるのです。

 

 

それに対して対人能力では、一般化して考えることはご法度です。「ああ、つまりよくある話ね」「聞いたことがある話ね」と一般化してしまっては、話した方は面白くありません。「それは特別な経験をしましたね」「滅多にないことですね」と特殊事例として扱わなかればなりません。

 

 

次に地頭力では疑って掛かることが求められます。何事も表面だけではなく、裏も読まなければならないからです。「なぜこのような現象が現れるのか」「なぜこのような結果になるのか」を考えるには、素直にうなずいてはいけないのです。

 

それに対して対人能力では、何事にも「はい」という人が好かれます。余計な詮索をせずに、ありのままを受け取ってくれる人。頼みごとを二つ返事で了解してくれる人です。信用するから、相手からも信用されるのです。疑う人を信用する人もいないのではないでしょうか。

 

最後に地頭力では、批判します。「本当にこれでいいのか」「他の方法はないのか」「なぜこの程度の結果なのか」と。絶えず上を目指す姿勢が、考えるきっかけを作るのでしょう。現状に満足していては成長が止まってしまうのです。

 

 

それに対して対人能力では、共感します。「そうだよねえ」「俺もそう思う」「その通りだと思うよ」と。共感することによって、相手の協力を引き出すことができるのです。批判されたら面白くありません。批判ではなく共感する人に、人は集まるのです。

 

 

このように、対人能力と考える力・地頭力は、正反対の性質を持っています。この相反するベクトルの方向を知っておくだけで、「自分が今求めるのは何か」「自分はどっちに行きたいのか」の選択肢で間違いが少なくなるでしょう。

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