数字で結果を求めること〜警察官千葉とうしろうの「ねらい目」
特に結果を求めるような時に使われると、数字っていうのは分かりやすい指標の一つになります。
例えば職場で「今月の目標を達成できたか?」なんて使われ方をすると、誰にでも分かる一つの指標になります。達成するべき目標ってのが100件だったとして、もしも99件だったら少ないし、100件だったら達成、ということです。誰が見ても分かるものです。
警察にも達成すべき目標ってのはあります。一番例としてあげやすいのは交通切符でしょうか。交通違反の処理をする交通切符です。あれはそれぞれの署で、月に何件ってのが決まっています。切った交通切符の量が多いと幹部は喜ぶし、逆に少ないと幹部は怒ります。
警察官っていうのは、交通切符を切るように幹部からお尻を叩かれているんです。だから文句を言われながらも交通切符を切っているんですよね。
でもこの交通切符の達成目標って、安直ですよね。数字によって警察官の仕事を評価するっていうのが安直だと思うんです。「交通切符の切った本数は指標の一つ」ではあるんですけど、「それが全て」っていう風潮もあるんです。
警察官の仕事っていうのは数字で表すことが難しいんです。警察官の本懐は治安を守ることではあるんですけど、治安は感情や感覚です。それを安易に数字で表そうとすることが間違っているんでしょう。
なのになんで警察では数字で評価をしようとしているのかというと、数字での評価が楽だからです。考えなくても誰にでも評価ができます。誰にでも考えつくものです。しかも分かりやすい。数字の10は誰にとっても10です。人によってブレがありません。数字の100は誰が見ても数字の100です。人によって90に見えたり150に見えたり、なんてありません。数字での評価は公平に見えるんです。
数字で評価することは具体的です。誰にでも分かりやすいしハッキリしています。ですが、それゆえに安直なんです。
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