常識を疑うってのは、素直ってこと〜常識にとらわれない100の講義
常識を疑うことっていうのは、素直っていうことなんです。なぜなら、世の中の常識っていうのは、ほとんどが建前でできているからです。世の中に溢れている常識、当たり前、当然のこと、全ては後から誰かの都合で作られたものです。
よく言われる常識っていう言葉。これほど違和感を感じる言葉もありませんよね。この常識っていう言葉、どんな時に使います? 「こんなの常識だろ!」「なんでこんな常識ができないんだ!」って感じで使いますよね。
つまり、自分と相手にギャップがある時に使われるんです。常識っていう言葉は、自分と相手にギャップが存在する時に使われる。ギャップがあるっていうことは、全然常識じゃないってことです。自分と相手にギャップがなくて、もちろん誰にもギャップがない状態。それが常識のはずです。誰に聞いても同じ答えが返ってくる。誰もがギャップなく同じものとしてとらえている。それが常識のはずです。
ですけど常識っていう言葉は、ギャップがある時に使われるんです。これは「自分の正義を相手に押し付ける時」っていうことです。相手と自分にギャップがあるから、相手に自分の正義を押し付けるんです。その際に「常識」っていう言葉を持ち出して、あたかも自分が押し付けようとしていることが正当性のあるものであることのようにするんです。
で、この常識に従っている人っていうのは、嘘つきであることが多いです。常識に従う人は、全然素直じゃありません。なぜかというと、常識は建前でできているからです。皆んなが皆んな、それが建前であることは分かっているのに、そのことに目を向けようとしません。
常識として扱われていることは全然常識じゃないのに、誰もそのことは無視して、その上に話を続けようとしている。だから、常識に従っている人っていうのは素直じゃないんです。素直になろうとしたら、常識に従ってはならないんです。非常識と言われることを考えられること、目の前の常識を疑うことができること、それが素直ということでしょう。
例えば、取り調べってありますよね。警察が犯人に対して色々と質問をして、犯罪の動機や経過を明らかにする行為です。取り調べで明らかにすることは、どのように犯罪が行われたか、です。いつ、どこで、誰が、誰を、どんな風に、などを明らかにするんです。でも一番大事なのは、その動機です。なんでこんな犯罪を犯したのか、です。
犯罪の動機、理由を明らかにすることが、取り調べでは一番大事なんです。実際の取り調べでも、警察官は犯人に質問をする際、動機を訪ねる際は、特に注意して聞きます。
警察官にとって、取り調べで犯人の動機を明らかにすることは常識だし、警察官以外の人にとっても常識です。取り調べで犯罪の動機が明らかにされることを多くの人が待ち望んでいます。ニュースで大きな事件の犯罪動機が明らかになれば、皆んなが注目します。」
ですけど、取り調べで犯罪動機が明らかになることは、ほとんどないでしょう。なぜか、そんなの無理だからです。犯罪の動機っていうのは正直、モヤっとしたもののはずです。中には何年にもわたる感情の積み重ねの場合もあります。それを犯人が言葉で警察官に伝え、それを警察官が文字にするなんて、できるものではないでしょう。よっぽどの国語や言葉の達人でもない限り、無理な話です。
取り調べで作られる、犯罪動機が記載された文章を調書というのですが、調書に記載されている犯罪動機は、そんなに信用できるものではありません。ある程度方にはまったものなんです。処理がしやすいように、あるいは無意識のうちに、取り調べる側の裁量で型にはめられるんです。
取り調べは具体化です。モヤモヤとして複雑な犯罪動機を、型にはめて、一方向の味方で固定化してしまうものです。そこに真実は現れません。
取り調べで犯罪動機は明らかにならないんです。このよううなことは、すぐに誰でも思いつきそうですが、世の中の具体化の流れの中で、多くの人がないがしろにしてしまうんです。素直な人間であれば、取り調べで犯罪動機が明らかにならないことなんて、気づくことでしょう。
例えば、職場では皆んなが帰る時間に難しさを感じます。これはスタートアップや中小企業よりも、伝統的大企業の方が、問題の根は深いのではないでしょうか。おそらくほとんどの人が、仕事なんかやめて早く帰ってしまいたいはずです。
ですけど、社会常識が邪魔して、早く帰れないのです。職場を早く帰ってしまう非常識な人が、素直な人です。建前で作られた常識を疑って、それに従わない選択をしたのが、素直な人間なんです。
それに対して「若手が先に帰るな!」などと言って、「社会人としての常識」を前面に出しているのが、素直でない人です。「仕事が終わっても先に帰れない」なんてのは、建前です。それを疑うことなく従っていたのでは、素直でなくなります。常識を疑うことこそが、素直な人間の生き方なんです。
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プレゼントの無料小冊子を更新しました。「子どもの非行を防ぐための素直な頭のつくり方」です。
非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。
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頭の柔軟性があり、状況や相手に応じて変化できる事。自分だけでなく、相手の考えも認める事ができる事。一つ上から全体を俯瞰できる事。そんな「素直な頭」をつくるための気づきを、この小冊子から得ていただければと思います。
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