職質思考とは

2017.12.22 (金)

私がお伝えする職質思考とは、非行の見方です。

 

 

そもそも「職質」とは職務質問の略になります。職務質問をご存知でしょうか。警察官がパトロール中、犯人を見つける為に、犯人を探す材料を見つける為に、警察官以外の人に対して行う質問のことです。

 

 

「ここで何をしているんですか?」「この辺りにお住まいですか?」その問答から、相手が犯罪に関係する人間かどうかを判断したり、または犯罪を解決するヒントが隠されていないかを探すのです。この様な質問のことを、「警察官が職務中に行う質問」すなわち職務質問と呼ぶのです。

 

 

職質思考とは、この職務質問の経験から得られた、犯罪に対する視点です。非行とは何か、子どもが素直に成長するのを妨げるものは何か、どのようにすれば素直に成長するのか、に対する考え方です。子の声傾聴会の「非行を防ぎ、素直な子どもへ」とは、職質思考の視点をベースにしたミッションなのです。

 

 

職務質問は、狭義には「犯罪者を見つけるテクニック」ですが、広義には「犯罪に対する視点・思考法」です。職質思考を磨くことで、犯罪や非行に対する視点を得ることができるのです。

 

 

職質思考セミナーでは、非行を見る視点をアナタにお伝えします。これは、普段は警察官しか見ることができない、犯罪や非行に対する視点です。

 

 

警察官は普段、パトロールで職質を繰り返し、犯罪や非行に対するアンテナを常に磨いています。職質でPDCA(Plan Do Check Action)を回しているのです。

 

 

まず「あの人はどこか怪しんじゃないか」「この辺で職質をすれば、犯罪者に当たるんじゃないか」と予想をつけ、自分なりの仮説を立てます。

 

 

それから、実際に職質を行います。相手に対して「誰なのか」「何をしているのか」「何を持っているのか」などから、犯罪につながるものを見つけます。もし仮に相手が犯罪者だった場合、仮説が正しかったことになります。ですが実際は、犯罪につながることは稀で、ほとんどは空振りに終わります。

 

 

最後に、仮説を検証します。多くの空振りに終わる職質に対して、「どうして犯罪者に当たらなかったのか」「自分が予想した犯罪者はどうしてここを通らなかったのか」「どうしてあの人を怪しいと思ったのか」などを振り返ります。

 

 

そして再度アタックします。検証を踏まえ、もう一度仮説を立て直し、職質に挑むのです。職質は気軽にできるものではありません。職質をされた方は嫌がるのが普通なので、一回一回にとてもエネルギーを使うものです。職質のPDCAにて精度を上げ、日々アップデートに次ぐアップデートを繰り返しているのです。

 

 

職質を繰り返す警察官は、おのずと犯罪に対する視点が磨かれます。この仮説→実施→検証→再実施のサイクルが、警察官の犯罪に対するアンテナを確立しているのです。

 

 

ですが職質思考は、「警察官であれば誰もが持っている」というものではありません。私も、警察官を退職して独立しようとして初めて持つことができました。おそらく現役の警察官であれば持つことはできないでしょう。職質というレアな経験をしていても、現役の警察官はその価値に気づいていないのです。

 

 

というのも、現役の警察官は言動が制限されているので、自由な発想ができない為です。自由な発想ができない為、自身の身近な道具である職質に価値を見出せないのです。

 

 

警察官は、言動が非常に束縛される職業です。

 

 

まず社会的な束縛。これは、「警察官はこうあるべき」「警察のくせにそんなことをしていいのか」という警察に向けた、世の中の見方です。常に行動が監視され、聖人君子たる言動が求められます。警察官個人が独自に出した「こう思う」を生かせないのです。

 

 

次に組織的な束縛。これは、警察組織の、警察官それぞれに対する束縛です。上意下達の警察組織は、「警察官はこうあるべき」という社会の意見をそのまま体現しようとします。組織的にも、警察官個人の自由な発想にフタをし、自由のきかない風潮を作り出しているのです。

 

 

そして個人的な束縛。社会的、組織的に束縛された警察官は、自由な発想をすることに自らフタをしてしまっています。自分たちが官僚主義、減点主義、事なかれ主義であることに気づいていないのです。気づいてもそれを正す発想が持てないでいるのです。

 

 

職質思考とは、今まで誰も気づかなかった「警察官の職質」に目をつけた、非行に対する視点、非行を見抜く技術なのです。

 

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