イライラの原因は「気づいていないこと」だった!

2019.08.01 (木)

なぜイライラしてしまうのか。人間、誰しもいい思いをして人生を送りたいものです。素晴らしい映画をみて、感動する本を読んで、刺激のある人たちと一緒に仕事をして、「これは」と思う趣味を持って。人生が良くなるように毎日を選択しているつもりなのに、いつの間にか生活にノイズが入ってしまいます。ザワザワ、ザワザワ。楽しくて刺激のある毎日に、抜き足差し足で忍び寄ってくるノイズ。布が水に湿っていくように、いつの間にか勢力を広げられて、楽しさよりもイライラの方が生活の中で多くなってしまいます。

 

 

人がイライラする原因は何なのでしょうか。ベストセラー本「嫌われる勇気」では、人の悩みは全て「人間関係だ」と断言しています。そうすると、イライラすることの原因も少なからず人間関係にありそうです。イライラは人間関係の中で生まれるものなのでしょう。社会の中に存在するのが自分一人なのであれば、悩んだりイライラしたりすることもないでしょう。自分一人でことは済むし、うまくいかないことがあっても良い方向にポジティブに考えることができます。自分一人であれば、誰もその立場を脅かす者などいません。

 

 

けれど、それが二人以上だとそうもいきません。コミュニケーションを取らなければならないからです。相手に迷惑をかけるかもしれませんし、迷惑を変えるんじゃないかと不安にもなります。人間が二人以上だから、コミュニケーションをとらなければんらないが故に、悩みも出てくるし、イライラもするのです。

 

 

コミュニケーションは、なぜこうも難しいのでしょう。なぜ、どんなにコミュニケーションが上手な人でも、100パーセントの出来で相手とコミュニケートできるわけではありません。意思の疎通の過程で、必ずそこにギャップが生まれます。

 

 

コミュニケーションとは、映画を見ているようなものです。同じ映画を見ても、それぞれ感じ方が違うのです。例えば、話題の映画を見たとします。ハリウッドの超大作。全米が泣いたといわれる名作です。出演者は大物俳優に大物女優。監督も、これまで数々の名作を生み出してきた奇才と呼ばれる人物です。

 

 

このように書くと、誰でも「最高だ!」感動する映画になりそうですが、実際に見にいくと、「面白かった」という人もいれば「面白くなかった」という人もいます。結局は人それぞれになってしまいます。

 

 

 

これは、見ている映画は同じでも、見ている環境が違うからです。古くて狭い映画館で見る人もいれば、新しくて広い映画館で見る人もいます。一人でじっくり見られる人もいれば、子どもを連れてバタバタしている中で見る人もいます。ある人は2Dで見るかもしれませんし、ある人は3Dで見るかもしれません。最前列の見えにくい位置かもしれませんし、後列の前に座る人の頭が邪魔な位置で見るかもしれませ。最初から最後まで見るかもしれませんし、途中から映画館に入ったかもしれません。同じ映画を見るといっても、その状況は十人十色なのです。

 

 

現実社会でも、事実は事実としてあるのに、映画館で映画を見るように状況はそれぞれです。同じ仕事をするにしても、経営者と被雇用者では、立場が違います。事務所で全体を見ながら指揮をとっている人間と、現場という最前線で仕事と向き合っている人とでは、同じ仕事でも見えているものがだいぶ違うでしょう。

 

 

それに加えて、世界観や価値観すら人それぞれ違います。金銭感覚も時間感覚も、誰一人として同じ人はいません。ジュース一本を買うのですら躊躇する人もいれば、その辺は割り切ってお金を使える人もいます。時間に対しても、厳しい人もいれば、おおらかな人もいます。「社会人として」遅刻が厳禁な人もいれば、特に気にしない人もいます。

 

 

このように、同じ事実に対して認識の仕方はそれぞれなのですが、問題は、この認識のズレに気づかないでコミュニケーションを進めていることです。実際は違う状況で映画を見ているのに、「同じ映画を見た」というだけで、あたかも環境ですら同じであるかのような前提で話を進めます。だから、同じ映画を見ているにも関わらず、「面白い」という人もいれば「面白くない」という人もいるのです。

 

 

イライラの原因はコミュニケーションにあり、コミュニケーションの問題は、認識のズレ(に気づいていないこと)にあるのです。これを解消するには、相手の立場に立ってものを考えることが必要なのですが、それについてはまた今度、書きたいと思います。

 


 

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