ながら運転はハンズフリーも違反

2020.12.22 (火)

携帯電話やスマートフォンを運転中に使用することは禁じられているが、このことについて掘り下げてみたい。

 

 

法的根拠

まずは法的根拠だけれど、道路交通法の第71条(運転者の遵守事項)がそれに当たる。ここの第五項第五号。

 

 

五の五 自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百十八条第一項第三号の二において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。同号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第一項第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。第百十八条第一項第三号の二において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。

 

 

この条文が道路交通法に載っているから、携帯電話の使用は禁止とされているし、警察官はながら運転に対して切符を切ることができる。

 

 

累積点数と反則金

累積点数は3点で、反則金は18,000円。大型自動車を運転中のながら運転だと反則金が高くなるし、バイク運転中のながら運転は若干反則金が低いのだけれど、ほとんどの人が運転するのが普通自動車なので、「累積点数3点の反則金18,000円」と覚えておけば間違いないだろう。

 

 

普通自動車には大抵の車が分類される。おそらく道路を走っている車の8割くらいはこれに当たる。正確には「車両総重量が3.5トン未満、最大積載量が2トン未満、車両定員が10人以下の条件を満たす自動車」となっている。セダンは普通自動車だし、ワゴン車も普通自動車だし、黄色ナンバープレートの軽自動車も普通自動車に分類される。

 

 

切符を切られた時の流れ

走行中、警察官にピピピッと笛を吹かれて車を止められることになる。警察官はパトカーの場合もあるし、白バイの場合もあるし、立っている警察官に止められることもある。車を道路脇に寄せたら、そこから警察官の切符処理が始まる。

 

 

イレギュラーがなければ、切符処理にかかる時間は長くて10分、短くて3分。ただし車内で待っている切符を切られる側としては、この時間は非常に長く感じる。実際には5分くらいでも随分と待たされていると感じるだろう。

 

 

イレギュラーとは、例えば運転手が免許証を持っていなかったり、はたまた酒気帯び運転だったり、無免許だったり。そんなことがあれば1時間、2時間、はたまた家に帰れなかったりと時間が掛かる。そうでなければ、切符処理とは3分から10分くらいで終るものなのだ。

 

 

警察官から「なぜ止められたのか」「交通違反になる」なんかを言われ、免許証の提示を求められる。要は「切符を切るから免許証を貸しなさい」ということ。

 

 

ネットを見ると、「罰則 6月以下の懲役又は0万円以下の罰金」とあるけれど、ほとんどの人は罰則を受けることはない。切符処理とは「反則金を払えば罰則は受けなくていいですからね」という制度である。

 

 

道路交通法違も立派な法律違反なので、もともとは一つ一つの違反に対して裁判を開いていたのだけれど、昭和の時代に車が増えすぎて、交通違反が増えすぎて裁判所がパンクしてしまったらしい。

 

 

「1つ1つ裁判なんて面倒なことをしなくても、もっと簡単な処理でいいんじゃない?」という声が行政側であり、それに対応する形で切符処理という制度が生まれた。「車なんて皆んなが持ってるし、いちいち裁判なんてしてらんねーよ」ということだ。

 

 

なので切符制度とは警察官の側(行政)と運転手、お互いにとってウィンウィンの関係をつくるものなのだ。警察官の側にとっては手間ひまのかかる面倒な裁判なんてしなくていいし、運転手にとっては反則金さえ払えば罰金を払わなくて済むし。

 

 

警察官に免許証を渡して3分から10分待てば警察官が切符に記載事項を記載し終えてやってくるので、そこで免許証を返してもらう。切符に署名をすれば、あとは反則金納付書をもらう。この納付書をもって反則金を支払いに銀行などの窓口に行こう。反則金を支払ってしまえば、それで処理は終わりになる。

 

 

反則金納付書を警察官からもらうときに、一緒に青色の反則切符を一枚もらうことになる。これは運転手の控えになるので、とっておくもよし。すぐに捨てるもよし。切符を切った警察官の名前が書いてあるので、「切符を切った警察官の名前が知りたい」と思ったら、もらった控えを見てみよう。

 

 

ハンズフリーはどうなのか

よく「ハンズフリーは違反にならないのでは?」という声があるけれど、これはどちらとも言えない。というのも、違反対象の行為は2つ。運転中にディスプレイを見る行為と、運転中に端末を操作する行為だ。確かにハンズフリーだとディスプレイを見ずに前を向きながら話ができるのだけれど、その前後にどうしてもディスプレイを見る行為、操作する行為がある。

 

 

かかってきた電話に出るにはディスプレイを見てタッチパネル上のボタンを押さなければならないだろうし、電話を切るにもディスプレイを見てタッチパネル上のボタンを押して終了となる。なので、ハンズフリーで話をすること自体は違反ではないのだけれど、それに付随する行為が違反になるのだ。

 

 

もしも違反を本当に回避するとしたら、ディスプレイを見てタッチパネル上のボタンを押す操作は、車を停止した状態でしなければならない。

 

 

というわけで

ながら運転は本当に危険なので、ぜひともしないようにしていただきたい。スマホが生活に浸透しているので、スマホなしでは生活できない。加えてスマホは便利なので、なんでも簡単にスマホでできる。動作することの起点がスマホになっているのだ。音楽を聞くのも動画を見るのも本を読むのも、すべてスマホが起点になっている。

 

 

すべての操作が、ディスプレイを見ること無くオールハンズフリーでできれば反則にならないのだろうけれど、今の所そこまで便利な親和性はスマホにはない。

 

 

事故は一瞬で、その一瞬で生命が危険にさらされる。運転手の人生もそれに左右される。ながら運転を注意して運転を楽しもう。

 

 


 

 

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