警察から住所を聞かれたのですが

2020.11.13 (金)

職質で警察から住所を聞かれるのは、挨拶のようなものだと思ってください。

 

 

世界各国、挨拶が違いますよね。「こんにちは」と言う国もあるし、「グッドモーニング」と言う国もありますし、「アッサラーム・アライクム」と言う国もあります。挨拶の際に我々の国では頭を軽く下げますが、片手を上げる国もあります。地域によっては包容したり口をつけたりするところもあるでしょう。

 

 

同じ地域でも、時間によって話す言葉が違ってもきます。日本では「おはよう」から始まって「おやすみなさい」で終わります。

 

 

相手との距離感によっても挨拶は違ってきて、「よう」とか「おう」と気軽に言えるときもあれば、「先日はお世話になりました」と恭しく言わねばならないときもあります。

 

 

つまり、同じ挨拶をするにしても人が変われば挨拶の仕方も変わる、ということです。

 

 

たとえ「この程度の挨拶だろう」と思っていても、実はそこで要求されていた挨拶はもっと違うものが必要だったなんてこと、ありますよね。距離が近いと思っていたのに意外と遠くて、「軽く挨拶したらムットされた」なんて経験はあると思います。

 

 

挨拶といえど人間の営みである以上、そこには想定内も想定外もあります。常識の範囲内のことを求められていることもありますし、自分としては常識で考えられない程度を求められているときもあります。

 

 

警察から住所を聞かれて不審に思ったり疑問に思ったりするのは、想定外の挨拶をされたときのようなものでしょう。された方としては「どうしてそんなことするの?」「どうしてそんなことを聞くの?」と思うかもしれませんが、警察の方からしたらいたって普通のコトなんです。当たり前のことなんです。当然のことです。

 

 

というのも、僕らは行政に対して正確性を求めますよね。行政は間違えないものだし、間違えてはならないものだと思っています。市役所に行って得られる情報は正しいものだと思っています。もしも市役所の窓口で間違った事を言われれば、それには文句を言ってもいいと僕たちは思っています。

 

 

そのくらい行政というのは正確性を求められるものだし、働いている公務員は間違ったことは言えないのです。

 

 

警察も公務員だし、自分たちには正確性が求められていることを知っています。曖昧なことをすれば、悪意を持った人間にはつけこまれることを知っています。なので、「誰から話を聞いたのか」や「誰に話しかけたのか」にも正確な情報を求めるのです。漏れがあってはならないのです。

 

 

たとえば警察官に「昨夜、誰と話をしていたのか」と尋ねたとして「いや〜、誰かわかりませんね」なんて言われたら「あんた、それでも公務員かよ」と思うのではないでしょうか。「警察が人を間違えるなんてあるの?」「相手が誰かわからないで仕事をしていたなんて、そんなの有り?」と思うでしょう。そんな警察官は、つけ入るスキですよね。

 

 

なので警察も正確な仕事をしようとしているのです。話しかけた相手、話を聞いた相手が、「どこの誰なのか」というのを「間違いなく●●だ」と言えるくらい、正確に記録しようとしているのです。

 

 

「どこの誰なのか」「間違いなく●●だ」と言えるくらい正確に相手を記録するには、人定事項を聞かなければなりません。住所、職業、氏名、生年月日、電話番号のすべてを聞きたいところです。これらを聞いて整合性をとります。不審点がないか、嘘を言っていないかを確認します。

 

 

「どこの誰なのか」が間違ってはならないというのは、犯人を逃してはならない、ということでもあります。もしかしたら話を聞いた相手が指名手配の犯人かもしれません。行方不明となっている家出中の子どもかもしれません。

 

 

警察官が、「話を聞いたのに指名手配犯を逃した」とか「話しかけたのに行方不明の届けが出ていたことに気づかなかった」という話を聞いたらどうでしょう。多くの人が「そんなことでは警察はダメだ」「この国はダメだ。なってない」と思うのではないでしょうか。

 

 

正確性を求めたり、きっちりした仕事をの望む我々の要求が、警察のしつこいような、あるいは場違いのような挨拶を生むきっかけになっているのです。

 

 

誰でも、挨拶程度で住所まで聞かれては「そこまで聞く必要あるの?」と思いますよね。「住所を聞いてどうするの?」と疑問に思いますよね。それどころか不審にさえ思いますよね。でも、相手の細かいところまで尋ねる警察の挨拶は、市民県民が公務員に正確性を求めた結果なのです。

 

 

もしも公務員がいい加減な仕事でも誰も文句を言わないのであれば、警察も挨拶のたびに住所を聞いたりしないでしょう。電話番号だって、生年月日だって、いちいち尋ねたりしないでしょう。公務員に質問したとして「いや〜、わかりませんねえ」と言われたり、警察が重要犯人を逃したというニュースを聞いて時に「仕方ないよね」と寛容な気持を持っていられるのであれば、警察も人定事項を確認したりしないでしょう。

 

 

警察が職質で相手の住所を聞くのは、「相手が誰なのか」をはっきりとさせるためです。はっきりさせるのは、国民が公務員に正確性を求めているからです。警察にとっては住所を聞くのは、挨拶のように当たり前のことなんです。

 

 


 

 

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