アドバイスするなら中身を入れよう。少なくとも「自分の考えなのか」は考えよう
僕はアドバイスというのが好きじゃない。
その人の人生を掛けたアドバイスならまだしも、その場しのぎのアドバイスは聞いていて辟易する。相手が「採用してもしなくてもいいけど」というスタンスで言ってきたアドバイスは、まだ活用の余地がある。参考できるからだ。
塵だって積もれば山になる。元メジャーリーガー・イチローの名言は、「小さいことの積み重ねが遠へ行く手段」だった。目の前の小さいことをひたすら積み重ねていくと、振り返った際に「遠くへ来ている」ことを実感できる。
なので、あくまでデータの1つというスタンスでは、人のアドバイスも使える余白は残っていることになる。
僕が辟易するのは、「お前わかってないなあ、こうした方がいいんだよ」というアドバイスだ。しかも薄っぺらいアドバイス。熱がこもっていない。「殴られたから殴り返した」とか「言われたから言い返した」のような、何の深みもないリアクション並みのアドバイス。それを僕は、本当に無用に思う。
というのも、第一に自分の道は自分で見つけるものだ。これは別にカッコつけているわけではないのだけれど、結局は自分で見つけたものの方が愛着がわくと思うのだ。人から勧められた本は多くの場合、自分の人生を変えるだけのものにはならない。本との出合いは、自分で探すのが基本だ。本屋で棚から見つけた本。アマゾンでなんとなく買った本。それらの本を読み勧めていくうちに、「これは面白い。視点の変化だ」ということに気づく。
人の息のかかっていない。他人の影響の無いもの。それにこそ僕たちは愛着を感じるのだろう。
動物だって、自分の子どもをこそ可愛がるはずだ。ライオンはハーレムを乗っ取ると、それまでのリーダーだったオスの子どもを殺してしまう。食物連鎖の頂点にいるライオンの一番の敵は、同類なのだ。子殺しこそが、ライオンの命を奪ってしまう一番の原因。
人間の世界でも、自分の血が受け継がれていない子どもには、親はなかなか愛情を注げないという。義母や義父の子どもに対する児童虐待は、日頃ニュースを見ていれば痛いほどわかる。
そう言えば僕は、人からもらうプレゼントにあまり意味を感じない。プレゼントをもらって有益だったことがないからだ。自分にとって何が必要か、何が有益か、何が役立つのか。そんなものは自分が一番良くわかっている。
僕はミニマリストでもあるので、必要なもの以外は周りに無い方がいいと思っている。なので必要のないプレゼントをもらうとかえって邪魔になるし、役に立たないプレゼントはもらわない方がお金の無駄にならない。
というわけで、自分の事は他人にはわからないし、自分の事は自分が一番良くわかっている。何に快を感じて、何に不快を感じるのか。何を幸福だと思って、何を不幸だと思うのか。それは自分以外の他人は知りようもないものだ。自分で手を下したものが一番信じられる。
なので僕は人からのアドバイスを聞くたびに不思議に思う。「この人はそんなアドバイスをしてきて何を考えているんだろう。どうせ自己満足でアドバイスしているんだろうな」と。
もしも人にアドバイスをするのなら、相手の心を動かすよう、奥から湧き上がってくるような熱い気持ちがなければ相手には伝わらない。それには最低限、できるだけゼロから自分で考えたアドバイスであることは必要だろう。よく考えなしに、昨晩テレビで見た話なんかをドヤ顔でアドバイスする人がいるけれど、そういうのが本当に薄い。
伝えるというものをわかっていないように感じる。気持ちを動かすようなアドバイスを聞いたことがないのではないか。あるいは、自分がどうやったら相手の心を動かすアドバイスができるのかということを考えたことがないのではないか。
どんなにゼロから考えようとしても、全くの完全な無から思考を組み上げることはできない。どんなオリジナルな企画を考えても、他人の影響がゼロであることはないだろう。子どもの頃の経験、小さい頃に見たもの、勉強して染み付いた考え。そんなものが自覚はなくとも、考えにはにじみ出るはずだ。
それでも、自分がゼロベースで考えたアドバイスには、熱がこもると思っている。熱のこもっていないアドバイスが人の心を動かすはずがない。自分で考えること無しに、人から聞いた内容をそのままアドバイスしてくるという浅さ。
「本当に自分の意見なのか」という一歩離れてみる目がなければ、それは言わないほうがいいのではないか。どうせ人に言っても聞いてもらえないのなら、わざわざ言う必要はないのではないか。アドバイスする必要はないのではないか。
「本当に自分の意見なのか」という振り返りが、意見に深みを与える。自分の考えが入っていないアドバイスなど、何も言っていない同然。アドバイスの形はしていれど、アドバイスとしての中身がないことになる。何も入っていないコップのように入れ物だけだ。
人へのアドバイスは中身があるのがいい。「自分の意見」という深みと濃度。それがなければアドバイスは、相手に届くことはない。
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