犯罪をなくすために必要なものとは

2018.10.16 (火)

犯罪をなくすために必要なのは「優しさの様なもの」です。「の様なもの」と言うのは、「優しさ」以外にも色々な言い方で表現できるからです。「素直さ」でもいいし、「柔軟性」でもいいし、「寛容さ」でもいいでしょう。相手の気持ちを想像できてること、それに合わせて柔らかく接することができること。それが犯罪をなくします。

 

 

そのためには、やはり見えないものを見る力が必要でしょう。「見えないもの」とは、正確には「見えにくいもの」です。意識しなければ気に留めないようなものをしっかりと意識することが、見えないものを見るのには必要です。

 

 

世の中にはハッキリしたものとモヤモヤしたものがあります。これら二つは対をなすものですが、私たちは普段、ハッキリしたものに気を取られて生活しています。例えばハッキリとした短期的なデメリットと、モヤモヤとした長期的なメリット。ハッキリとした快楽と、モヤモヤとした苦難。ハッキリとした手段と、モヤモヤとした目標。ハッキリとした結果と、モヤモヤとした原因。そして、ハッキリとした主観と、モヤモヤとした客観。

 

 

私は警察官をやってきて多くの犯罪者を見たり、直接話したりしてきましたが、彼らの多くは自己中です。主観にとらわれすぎているのです。ハッキリした自分の主観を見るあまり、相手の価値観とか、全体を見る俯瞰の視点を持てないでいるのです。

 

 

ドロボーは、財を盗られた被害者がどんなに嫌な思いをするか、を想像する力に欠けます。粗暴犯は、殴られた相手がどんなに悔しい思いをするかを考えられず、自分の価値観と相手の価値観で競争してしまっています。オレオレ詐欺の犯人は、自分にもおじいちゃんやおばあちゃんがいるだろうに、それでも他人のおじいちゃんおばあちゃんを騙すので、自分ごととして考えられていません。

 

 

どれも想像力に欠けるのです。目の前の具体を見るあまり、想像力が必要な抽象にまで考えが及ばないんです。

 

 

犯罪をなくすのに必要な「優しさの様なもの」は、抽象的なものを見る力があって初めて見えます。本当であれば対をなす具体と抽象ですが、世の中が具体を求める手前、私たちには具体にとらわれるバイアスが掛かります。私たちは、もっと抽象的なものに目を向けるべきなのです。

 

 

目の前の分かりやすいものだけでなく、その後ろ側にある分かりにくいものです。子どもが粗暴だったら、粗暴という現象は具体でしょう。その原因が抽象です。子どもが時間にルーズであれば、その現象は具体でしょう。その背景が抽象です。子どものテストの点数が悪いとしたら、その現象は具体でしょう。そのバックグラウンドが抽象です。

 

 

抽象に目を向けると、モヤモヤとしていて、何が正解か分からない世界です。何が原因なのか、ハッキリとしたものがない様に見える世界です。ですが、抽象とはそういう世界です。解釈の幅が広く、常識とか当たり前とか正解とかの線を引くことができないのです。メリットとデメリット、正解と不正解、常識と非常識、全てひっくるめることができる、とも考えられる世界なのです。だから寛容にもなれるし、「全てをひっくるめられる」と考えられるから柔らかくなれるのです。

 

 

抽象に目を向ける際のキーワードは、「間違っているのは自分かもしれない」です。意識しなければ目の前の主観にとらわれる認識を、自分以外のところまで広げてくれる言葉です。「常識だろ」と思った時、「間違っているのは自分かもしれない」と考えてみてください。「こいつはダメだなぁ」と思った時、「間違っているのは自分かもしれない」と思ってみてください。

 

 

きっと世界が広がることでしょう。それまでの自分が見えていた世界から、限界がなくなるはずです。壁が吹き飛ぶことでしょう。「何もない」と思っていた際(きわ)の向こう側に、まだまだ世界が広がっていることに気づくでしょう。自分の価値観以外にも価値観があることに気づくでしょう。

 

 

犯罪をなくすために必要なものは、「優しさの様なもの」です。それは「間違っているのは自分かもしれない」と思うことで手に入れることができます。具体の向こう側に広がる抽象の世界、主観の上に広く存在する俯瞰の視点。それらを誰もが想像できる様になった時に、社会から争いは消え、犯罪もなくなることでしょう。

 


 

「素直さ」を考えるセミナーを定期的に開催しています。スケジュール・詳細はこちらをご覧ください。

 

自己中が思いやりに、
生真面目が寛容に、
怒りっぽさが優しさに、
そして非行が素直に変わります。

 

心よりお待ちしております。

[contact-form-7 id=”10255″ title=”セミナー申込みフォーム”]


 

30分の無料相談を承っています。子ども、非行、犯罪、警察対応、などのキーワードで気になりましたらご利用ください。基本はウェブ会議アプリを使ってのオンラインですが、電話や面談も対応できます。

 

モヤモヤ状態のあなたが、イキイキとする無料相談です。次の一歩を踏み出すために、お気軽にお問い合わせください。

 

下記お問い合わせフォームで「相談希望」である旨をお知らせ下さい。

[contact-form-7 id=”2700″ title=”お問い合わせ”]


 

プレゼントの無料小冊子を更新しました。「子どもの非行を防ぐための素直な頭のつくり方」です。

 

非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。

 

子どもは周りから吸収する度合いが強いので、子どもの成長は周りの大人次第の側面があります。「周りの大人が自己中から脱し、素直な頭を持つ事で、接する子どもにも好影響を与えよう」というのが、この小冊子の狙いになります。

 

頭の柔軟性があり、状況や相手に応じて変化できる事。自分だけでなく、相手の考えも認める事ができる事。一つ上から全体を俯瞰できる事。そんな「素直な頭」をつくるための気づきを、この小冊子から得ていただければと思います。

[contact-form-7 id=”4057″ title=”小冊子ダウンロード”]

▼シェアをお願い致します!▼

関連する投稿

現在の記事: 犯罪をなくすために必要なものとは

お問い合わせ・ご相談はこちら

メールでのお問い合わせ

contact@konokoe.com

フォームからのお問い合わせ

お問い合わせフォーム »

コラムテーマ一覧

過去のコラム

主なコラム

⇑ PAGE TOP