主体性を持つ練習をしよう〜はれときどきぶた
子どもへの読み聞かせで「はれときどきぶた」を借りてきて読んでいます。私も小学生の時に、クラスメイトから勧められて読んでハマりました。今回読んで、本文の終わりに「あしたの日記を書こう」と題して著者の言葉が記載されていることに気づいたのですが、これが印象的でした。こう書いてあります。
「だから、自分の感じたこと、考えたことはちゃんといえるようにならなくちゃいけない。」
というのも、小学生の子どもがいる年齢の私が、日々自分に言い聞かせている主体性についてだったからです。「自分の本音は何なのか。自分はどうしてそう思うのか。どうやってそれを相手に伝えるのか。」私はそんなことを考えながら生活し、子どもと接しているのですが、私が生まれた程の年に発行されたこの本に、同じ想いの文が載っていたのです。
◆主体性は不変なのか
本書が発行された80年代は、まだまだ日本が元気だった時代だと思います。そんな時代にも、主体性の大切さが言われていたのはある意味、驚きです。私は、主体性はインターネットが普及してからの個の時代になってからの価値観だと思っていたからです。
行動経済成長期の時代で、大きいもの、年上のもの、値段が高いもの、が善とされていた時代だったと思います。そんな中でも、今の時代と同じ主体性の必要性が認識されていたのでしょうか。それとも、今の時代とは違った意味での主体性だったのでしょうか。はたまた、主体性の必要性を説いているのはまだマイノリティーだったのでしょうか。私が子どもの時は、「自分の考えが大事」なんて全然気づきませんでした。
◆著者がもうちょっと詳しく書いていてくれたら
この「あしたの日記を書こう」の文章を読むと、本文にも教訓として、主体性が説かれていると言います。「主体性を持つためには、自分の考えを持たなければならない。自分の考えを持つ練習のために日記を書こう。」というロジックです。
ですが、本文を読んで主体性の重要性までは、なかなかたどり着けないですね。特に小学生には。もうちょっとわかりやすく主体性の必要性を本文で説いてくれれば、小学生にも伝わるかと思います。私も子どもの時に本文を読んで、「自分の考えを持とう」までは読み取ることができませんでした。
◆人生の宝となるかもしれない文章とニアミスだった
主体性は重要です。決断力を養い、自信を育み、行動力を促します。そんな重要な文章とニアミスだったことが悔やまれます。小学生の時の自分が、あと1ページ後ろまで読んでいたら「自分の感じたこと、考えたことはちゃんといえるようにならなくちゃいけない。」という一文に出会っていたかもしれません。
果たしてあの時の自分は、この文章を読んでいたのか。それとも、読んでいたけれどヒットしなかっただけなのか。
とうわけで、「はれときどきぶた」を読み聞かせした感想でした。いい教訓を発見することができました。さすがに年取ってから読むと、ヒットする部分も違ってきますね。何気に則安くんの担任の先生も、いい事を言って日記を書くことを促していますし。
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