非行少年「なぜ人を殺してはいけないのですか?」

2020.01.14 (火)

「なぜ人を殺してはいけないのですか?」

 

 

この問いにあなたは答えられるだろうか。非常に難しい問いだ。「シンプルな問いほど難しい」とは、まさにこのこと。考えられる答えと、その答えに対する反論から、「なぜ人を殺してはいけないのですか?」を考えてみる。あなたも自分なりの答えを考えてみてほしい。

 

 

1 法律に違反するから

法律に違反するからダメなのだろうか。確かに「法律に違反している」と言われると、何もできなくなる。ても足も出なくなる。ルール違反というハッキリとした線が引かれるからだ。でもこれだと、なんだか人を当てにしているようではないだろうか。「自分では責任をとりません」「自分がやったわけではありません」「自分が決めたわけではありません」のような、「自分は知らないよ、他の人が勝手にそう言ってるんだよ」のような、責任を他人に押し付けるような、他人任せのような感じがしないだろうか。

 

 

「法律に違反するからだめ」なのでは、だったら法律に違反していなければ、人を殺してもいいのだろうか。たとえば日本の法律は日本の国の中でしか適用されない。だったら、どの国にも属さない土地で人を殺したら、それは悪いことではないのだろうか。そうではないだろう。実際、どこ国にも属さない土地を見つけることは難しいが、それでも人を殺すことは悪いことだと思うはずだ。ちゃんとした法律ができるよりずっと前から、人を殺すことは悪いことだったはずだ。

 

 

2 人の自由を奪うから

では人の自由を奪うから、人殺しは悪いことなのだろうか。確かに殺されてしまっては、自由に動くことも考えることもできなくなる。そもそも死んでしまうので、生きるという自由は奪われてしまう。では、「自由を奪うこと」が悪いことなのであれば、その人が自ら「死にたい」「誰か殺してくれ」と思っていたら、その人を殺すことは悪いことではなくなるのであろうか。「自由が良いこと」なのであれば、「死にたい」とか「殺してくれ」と思うことも自由なはずだ。例えば病気で苦しんでいたり、怪我で痛がっている人であれば、「死にたい」とも考えるだろう。そんな自由な考えを尊重して「殺してあげる」ことは、悪いことではないのだろうか。

 

 

3 人を不幸にするから

では、人を不幸にするから人殺しは悪いことなのであろうか。確かに死んでしまうことは不幸と考えるのが一般的だろう。けど、よく考えてみて、本当に死ぬことは不幸なのだろうか。当たり前だが、死んでから生き返った人は誰もいない。だれも死んだ後のどうなるのか、本当のところはわからないはずだ。「死んだ後の世界はこんなところだよ」というメッセージは社会にあふれているかもしれないが、それを本当に体験した人は、果たしているのだろうか。誰も本当のところがわからないのであれば、「死んだらどうなるのか」がわからないのであれば、人を殺すことが、その人を不幸にすることだと断言できないだろう。

 

 

4 悲しむ人がいるから

では、悲しむ人がいるから、人殺しは悪いことなのだろうか。殺される人に答えを求めるのではなく、周囲の人に答えを求めるのだ。たとえ一人暮らしだとしても、家族がいないとしても、他人と関わらないで生きている人など、この世には一人もいない。誰かとの接点があって生きられるのが、この世の社会だ。

 

 

けど、悲しむ人がいるから人殺しがダメなのであれば、極悪人は殺してもいいのだろうか。世の中には、極悪人の類いの人間もいる。生きていれば犯罪を犯し、人を不幸にしてしまうような人間だ。そんな人間は、殺してもいいのだろうか。その人を生かしておけば、より多くの人が不幸になって、悲しむことになる。「悲しむ人の量」という意味であれば、極悪人一人を殺すほうが、悲しむ人の量は少なくなるはずだ。極悪人であれば、殺してもいいのだろうか。

 

 

5 痛いから

痛いから人を殺してはダメなのだろうか。確かに死ぬことと痛みは、一緒にして考えられる。けど考えてみてほしい。本来、死ぬことと痛みは別々のはずだ。というのも、死ぬのに痛みが伴わない方法がたくさんあるからだ。聞いたところによると、凍死というのは気持ちがいいらしい。疲れて寝てしまうことが痛いと思う人はいなく、どちらかというと気持ちがいいことだと思うが、凍死は眠るような感じらしい。凍死でなくとも、薬で眠るように死んでいく方法だってある。そんな方法を人に使って殺してしまうのは、果たして悪いことではないのであろうか。

 

 

6 ダメなものはダメ

こんな風に、色々と人殺しがダメな理由はたくさんある。が、どれもこれも表面的だ。人殺しがダメな理由を、言い表そうとして言い表しきれていない。反論がいくらでも出てくる。であれば、本当のところはどうなのだろう。法律に抜け穴だってあるし、殺される自由だってあるし、本当に死ぬことが不幸かどうかわからないし、悲しみの量を減らすことにだってなりうるし、痛みのない殺し方だってある。

 

 

が、こんな風にいくら言葉で「人殺しが行けない理由」を言おうとしても、言葉を並べようとしても、それ以前に答えは決まっているだろう。どんなに人殺しがだめな理由に対して反論してみたところで、「ダメ」という答えは変わらない。これはどうしてだろう。もしかして、人を殺してはいけない理由は、言葉では言い表せないものなのではないだろうか。

 

 

それは、言葉では言い表せない、目で見ることもできない、手で触ることもできない、けれど確かに感じる「何か」。それこそが、もしかしたら、人を殺してはいけない理由なのではないだろうか。どんなに理由を並べたって、言い表しきれない何かが、人殺しをしてはいけない理由なのだ。目の前にコップがあれば、「コップがある」と分かる。信号が変われば「あ、青になった」と分かる。自分の名前が聞こえれば「あ、誰かが呼んでいるな」と思う。そんな直線的な感覚に、いちいち理由なんて必要ないだろう。どんなに科学的に物理的に説明されたって、とらえきれるものではない。むしろ、科学的に物理的に説明されればされるほど、本当の意味からは遠ざかっているように思う。

 

 

それは、道徳や正義と呼ばれるものだ。「ダメなものはダメ」「人間としてダメ」「考えなくても分かるでしょ」だ。

 

 

僕たちは、具体的なものにとらわれている。はっきりしたもの、わかりやすいものを求めたがる。人間は易きに流れるものだからそれは仕方のないことなのだけれど、具体的なものじゃなく抽象的なものにも目を向けたほうが良い。説明できることだけが答えじゃない。説明できない、言葉では言い表せないものも答えになり得るのだ。

 

 

 

 

 


 

 

 

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