未来のイノベーターはどう育つのか 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー
イノベーターの資質とは何か、そしてそれは、どのようにすれば育てられるのか。そんなことが書かれた本です。
本書には、ことあるごとに内的モチベーションという言葉が出て来ます。ずばり、イノベーターを育てるには、内的モチベーションが必要なのです。
アメやムチなどの外からの要因でなく、何かをしたいという情熱や興味のことです。外からのプレッシャーでなく、自分の関心、満足感、挑戦意識が最大のモチベーションになっている時に人はもっともクリエーティブになるのです。本人の内から沸く興味があってこそ、創造性が引き出されるのです。
内的モチベーションを引き出す際にポイントになるのが、遊び、情熱、目的意識の3つだと、本書では説いています。子ども自身が興味を持ち、情熱を傾けられるものが創造性を引き出すので、子どもの自主性を引き出すことが、子育てのポイントになりそうです。
本書では、イノベーターを育てた親たちの話も記載されていますが、やはりバランスが難しいようです。タイガーマザーやヘリコプターペアレントになったのでは、その子どもがイノベーターになることは稀でしょう。
子どもにイノベーターの芽を育みたいのであれば、子どもが情熱を向けられるものこそが大事であり、子どもの意見を尊重してやることが大切になります。ですが自由にさせすぎないことも当然に必要です。イノベーターになって、銀行強盗をするようになったのでは、意味がありません。
クリエーティブな発想を育むことは子どもの興味を推奨することであり、子どもを自由にすること、冒険させることです。ですが、何でもかんでも自由にしてしまえば、易きに流れてしまいます。
境界線を見極めることが重要です。超えてはいけない一線をどこに設定するかです。
冒険を推奨するあまり、子どもが危険に巻き込まれてもいけません。小さいうちからの冒険は必要ですが、同時にそれはリスクでもあります。悪者に誘拐されてしまったり、交通事故に巻き込まれたりする危険が、冒険にはともなうのです。
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