勝ち続ける意志力 〜 非行防止の子育てや原因・家庭環境・少年の心理を探る
この本は、ゲームという極めて特殊なジャンルのチャンピオンである著者が、世界一になる方法、勝負事で勝つ方法、勝つための努力の仕方、 著者自身が勝てるようになった過程で学んだことについて、考察された本です。
著者は、長いベクトルで見て、成長し続けることが、勝ち続けることだと言います。一回一回の勝ちにこだわらず、そこから何かしら自分を成長させる発見があれば良しとするのです。すると、勝率も上がるのです。
一回一回の勝ちにこだわるのは、テレビに出てくる一発屋芸人のようなものです。奇抜なアイディアで目立ち、薄い芸しか持っていないため、すぐに消えていく。それでは単発的に勝つことしかできないのです。
そうではなく、「勝ち続ける」のに必要なのは、細かいことを積み重ねた努力なのです。才能、奇策、安易な道や裏道、一夜漬け、というのは、例えば一般的な強さの最高峰が10だとしたら、10までしかたどり着くことができません。11、12、13までたどり着くには、知識、技術の正確さ、経験、練習量とい当たり前の積み重ねがあるからなのです。
以下、読書メモです。
勝負の本質は、その人の好みやスタイルとは関係のないところになる。勝つために最善の行動を探ること。それこそが重要なのであって、趣味嗜好は瑣末で個人的な願望に過ぎない。
勝ち続けるには、勝って天狗にならず、負けてなお卑屈にならないという絶妙な精神状態で向き合う必要がある。
なんどもミスを犯し、失敗し、その度に深く考え抜いてきた。だから、流れに乗って勝利を重ねてきただけの人間とは姿勢や覚悟が違う。
生み出した特許よりも、新しい特許を生み出す力の方が遥かに重要。
かつて生み出した戦術に頼らない覚悟と、新たな戦術を探し続ける忍耐があるからトップにいられる。
成長というのは、とにもかくにも同じ場所にいないことで促進される。
セオリーは疑うためにある。
自分を変えるとき、変化するためのコツは、「そうすることで良くなるかどうかまで考えない」ということ。もし悪くなったとしたら、それに気づいたときにまた変えればいい。
人の目を気にしていると、本来やるべきことを継続できない。
努力を続けている人は誰かの目なんか気にしてないと言える。
11、12、13の強さを手にする方法は言葉では教えられない。それでも口に出して言うとすれば、「すべての可能性を試した果てにあるもの」。
世界大会の勝利より、日々の中で出会えた大きめの発見の方が遥かに嬉しい。
新しいものを否定しないこと。新しいものから素直に学ぶ姿勢を忘れないこと。
一番良くないのは、どの階段を登ればいいか迷っている状態が延々と続くこと。
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