子どもの非行を防ぐ抽象化思考の、おさえておきたい性質とは(2、見える人にしか見えない)

2018.07.12 (木)

抽象化思考の、おさえておきたい性質の二つ目、それはマジックミラーの関係になっているという事です。見えている方と見えていない方が存在するのです。見えている方とは抽象化思考ができている人。見えていない方とは、抽象化思考ができず、具体のレベルでしか物事を見る事ができない人です。

 

 

具体の視点は誰にでもあります。具体とはわかりやすいものなので、意識せずとも自然と誰でも持つようになります。ですが抽象の視点は、ある人にしかないのです。中小の視点とは、持っている人だけが持っているものなのです。

 

 

例えば新入社員とベテラン社員の違いがこれに当たります。会社に入社したての新入社員は、何も仕事ができない状態です。特に大学卒業したての人間は、学生と勤め人の違いのギャップもあります。学生から勤め人の壁、さらには勤める組織の壁、二つを同時に乗り越えなければならないので、山のように覚える事があります。

 

 

新入社員はベテラン社員から働き方を教わります。ですがなかなか覚える事ができません。やっている事がどのような意味を持っているのか。この作業の裏側にはどんな理由があるのか。自分の目の前の仕事が、どのような作用を持っているのか。その辺を理解していない為、一つ一つ具体的な仕事が有機的に繋がらないのです。

 

 

それに対して、新入社員に仕事を教えるベテラン社員。彼らは新入社員がなぜ、なかなか仕事を理解してくれないのかわかりません。何回教えても同じミスを繰り返したり、昨日教えたことを今日やってなかったり、同じ作業なのにもう一度教える羽目になったり。

 

 

ベテラン社員には、二つの視点があります。具体と抽象の視点です。一つ一つのここ具体的な作業を見る視点。それと、その作業が裏でどんな意味を持つのか、見えない関係性を見る視点です。ベテラン社員には一つ一つの作業が繋がって見えます。それは抽象的な視点を持っているからです。

 

 

自分の組織の方向性、社会における自分の組織の立ち位置、関係各所との関係性。そのようなものを理解している為に、一つ一つの作業が繋がるのです。繋がっている為に、昨日の作業と今日の作業が同じであるように見えるのです。

 

 

ですが新入社員にとって、昨日の作業と今日の作業は別々です。具体レベルの視点しか持っていない為、一つ一つの作業が分断されて見えるのです。一つ一つの作業を繋ぐだけの根本を理解していない為、繋がりが見えないのです。

 

 

自分の組織の方向性、社会における自分の組織の立ち位置、関係各所との関係性。そのようなものを理解すれば、一つ一つの作業も繋がり、昨日の作業と今日の作業が同じであるように見えてくるに違いありません。

 

 

抽象の視点と具体の視点とは、マジックミラーの様になっています。抽象の視点を持っている人は具体の視点も持っているのですが、具体の視点を持っている人が抽象の視点を持っているかというと、そうではありません。抽象のレベルしか見えていない人はいないのですが、具体のレベルしか見えていない人とはよくいるものなのです。

 


 

 

 

 

プレゼントの無料小冊子を更新しました。「子どもの非行を防ぐための素直な頭のつくり方」です。

 

 

非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。

 

 

子どもは周りから吸収する度合いが強いので、子どもの成長は周りの大人次第の側面があります。「周りの大人が自己中から脱し、素直な頭を持つ事で、接する子どもにも好影響を与えよう」というのが、この小冊子の狙いになります。

 

頭の柔軟性があり、状況や相手に応じて変化できる事。自分だけでなく、相手の考えも認める事ができる事。一つ上から全体を俯瞰できる事。そんな「素直な頭」をつくるための気づきを、この小冊子から得ていただければと思います。

 

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