子どもの非行を防ぐ抽象化思考の、おさえておきたい性質とは(3、後戻りできない)
「後戻りできない」という抽象の視点の性質を説明します。一度、抽象の視点を持ってしまうと、抽象視点を持っていなかった頃に戻ることはできないのです。抽象の視点とは非常に便利なので、具体の視点しか持っていなかった頃に時間は戻らないのです。
例えばベテラン社員と新入社員。一つ一つの個々具体的な仕事の繋がりが見える様になったベテラン社員は、新入社員の様に仕事を忘れたりはしません。長期の休みをとったり、長期の離脱を余儀無くされれば一時的に忘れたりするかもしれませんが、すぐに思い出すはずです。
抽象の視点は物事の根本に関わるものなので、一度理解すれば後戻りすることはありません。スポーツでも基本を抑えた人間ほどうまくなります。多くのことに応用が効く基本をおさえることは、どのスポーツでも上達への近道です。表面的なテクニック的なことは忘れる事があっても、基本的な概念は一度理解してしまえば、忘れることはありません。
例えば子どもと話をする際、子どもは急に具体的な固有名詞を使う事があります。子どもと話をしていて、急に子どもから「サキちゃんとポイフルを食べた」と言われた親は「ん?サキちゃんって誰?ポイフルって何?」と思うはずです。
まだ抽象的な思考ができない子どもは、具体的な表現しかできないのです。これが成長するにしたがって、「クラスメイトとコンビニで買ったお菓子を食べた」と抽象的な表現を覚える様になります。サキちゃんがクラスメイトに変わり、ポイフルがコンビニで買ったお菓子に変わります。
具体的なものを共有していない人たちとのコミュニケーションは、それぞれの固有名詞よりもある程度抽象的な表現の方がわかりやすいことを覚えて行くのです。
ベテラン社員は業界用語を駆使して、同じ業界の人とコミュニケーションをとります。ですが、新入社員にとってみれば、それが分かりづらいのです。ベテラン社員からすれば、業界用語は便利なので、使わないてはありません。もし業界用語を使わないで物事を説明しようとすれば、まだるっこしい事この上ないでしょう。一度覚えた業界用語は、使わないわけにはいかないのです。
私はスーパーで買い物をする際、値段の他にも「1グラム当たりいくらか」を気にします。例えば、どの肉を買うかで悩む際は、パック表面に貼られているシールの値段の他に、1グラム当たりの値段も加味して肉を選びます。
その際に私は、頭の中でxを使って1グラム当たりの値段を計算します。「500g:1500円=1g:x」という具合ですこれだと、1500÷500で1g当たりの値段の求め方が分かりやすいのです。算数で習ったこのxという概念は便利なので、xを使わない計算にはもはやできません。
そもそも抽象の極みと言われる言葉や数を使わないで生活することは、現代社会においてはほとんど不可能です。「明日から言葉と数を禁止します」と言われれば、もはや生活できる人はいないでしょう。
抽象化の視点は便利なので、一度持ってしまうと持っていなかった頃に後戻りする事はできないのです。
プレゼントの無料小冊子を更新しました。「子どもの非行を防ぐための素直な頭のつくり方」です。
非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。
子どもは周りから吸収する度合いが強いので、子どもの成長は周りの大人次第の側面があります。「周りの大人が自己中から脱し、素直な頭を持つ事で、接する子どもにも好影響を与えよう」というのが、この小冊子の狙いになります。
頭の柔軟性があり、状況や相手に応じて変化できる事。自分だけでなく、相手の考えも認める事ができる事。一つ上から全体を俯瞰できる事。そんな「素直な頭」をつくるための気づきを、この小冊子から得ていただければと思います。
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