会社の老化は止められない 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー

2017.12.15 (金)

 

この本は、会社という組織の「老化」なる違和感を体系化した本です。

 

 

多くの新社会人が会社に入社した際、それまでの世界から違う世界に足を踏み入れたことを実感するはずです。なかなか帰らない上司、区別される本音と建前、理解できない老人たちの論理。これらは誰もが感じる、立派な違和感なのです。

 

 

ですが、会社で仕事をする中で、いつの間にか違和感を感じていた新社会人たちも、会社という組織に同化して行くのです。尖っていたものが丸くなり、おかしな論理に鋭敏だった感覚が鈍っていくのです。この本は、そんな会社の違和感を鮮明に、深く、論理的に解説してくれるものです。

 

 

著者は、会社が大企業病に侵されていくプロセスを老化とし、会社が避けては通れない不可逆的なものと説いています。人間の一生が赤ちゃん   →   少年   →   青年   →   中年   →   老人と進行するように、会社もスタートアップ   →ベンチャー   →   伝統的大企業と進行します。

 

 

この老化プロセスを不可避なものとし、「どのような症状が老化に当てはまるのか」「どのようなメカニズムで発生するのか」「どのように対処するべきか」という視点から論じられているのが本書です。

 

 

本書の構成は以下のとおりです。

 

 

第1章 会社の流れは一方通行

第2章 老化した会社の「止められない」症候群

第3章 老化を加速させる大企業のジレンマ

第4章 会社の老化がイノベーターを殺す

第5章 何がパラダイムシフトを阻むのか

第6章 組織の宿命をどう乗り切るか

 

 

例えば第2章では、矛盾をはらむ多くの会社あるあるについて論じられています。

 

・ 「スタンプラリー」は止められない

・ 「会議の肥大化」は止められない

・ 「過剰品質化の流れ」は止められない

・ 「オレは聞いていない」が意味するところ

・ 「言い出しっぺ」が損をする負のサイクル

 

 

さらに本書では、会社の常識に立ち向かうイノベーターについても論じられています。イノベーターとアンチイノベーターを比較し、イノベーターはアンチイノベーターに対してどのように戦って行けばいいのかも説明されています。

 

 

そして、あとがきの最後はイノベーターに向けた言葉で締めくくられています。「負けるな、戦うイノベーター。You are not alone!」

 

 

本書には、真実を求めて人生を必死に戦っている多くの社会人にとって、真実を掴むためのヒントを見ることができます。

 

 

会社の老化に立ち向かうイノベーターにとっての追い風となる本です。今後の戦い方を考える上でも非常に有効な本だと思います。

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