子どもの問題 いかに解決するか 〜 非行防止の子育てや原因・家庭環境・少年の心理を探る
この本は、いじめ、不登校、発達障害、非行といった子どもの問題を、 いかに解決するかについて、書かれた本です。
著者は、子どもの問題を解決する際に必要なのは、「正しい見立て」と「その見立てに応じた対応の技術」だと言います。
見立てとは、問題行動の意味を正しく知ることです。子どもの不可解と思われる行動の意味を理解すること。子どもの行動の意味を理解することで、子どもが置かれている状況を正しく理解することができるのです。そして、その状況に応じた対応が求められるのです。
子どもの「どこを見るか」という見立てのポイントとしては、安心感と居場所が脅かされていないか、として、自己有用感や自信が損なわれていないか、という点です。
反発する子どもの抵抗を突破する技術については、以下のとおり提唱しています。
抵抗を突破する5つのステップ
1 雑談や子どもの関心がある話題から入る
2 愚痴や不満を語る段階
3 傷ついた想いや不安を語る段階
4 本音を語る段階
5 課題に取り組む段階
動かない子どもを動かす技法
1 押し付けない
2 否定的な断定や決めつけをしない
3 許容語をつかう
4 オープン・クエスチョンを活用
5 本人の視点を重視し、最小限の言葉で反応する
話を深め、問題を解決していくための技法
1 話を整理する
2 選択肢を使う
3 葛藤を言葉にしていく
4 本人に言わせる
5 抵抗には抵抗せず、それを味方につける
いじめ、不登校、発達障害、非行の問題について、どのように解決にもっていくか書かれた本であり、たくさんの具体的な例示に著者の経験の豊かさが表れています。子どもの問題のリアリティを感じる内容でした。
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