具体と抽象は国語という教科にとどまらない
「非行に走る子どもは自己中が多い。だから自己中の180度反対側を目指せば非行は無くなるのでは」というのが私の仮説です。
自己中の180度反対を、素直と言います。自分の考えに固執せずに柔軟に対応できる事。相手の考えや価値観も想像できる事。一つ上からの視点で俯瞰できる事。そのためには具体と抽象の概念が必要です。
具体と抽象の概念は、実は小学校の時からずっと、私たちは勉強しています。「具体と抽象」などと直接呼ぶことはなかったかもしれません。ですが「文章中の『例えば』や『つまり』に着目して問題を解く」とか「言い換えている部分を探す」とか。
「国語という教科では、論理的思考力が求められている。論理的思考力とは、言葉を整理して筋道を立てて考える力のことである。」と言われています。さらに論理的思考力とは、因果関係を整理する力、対比関係を整理する力、具体化と抽象化の力、と言われています。
具体と抽象の概念は、国語力の主要な部分として、ずっと習っているものなのです。
ですが、具体と抽象を国語という教科の中にとどめておくのは、私はどこか勿体無い気がします。確かに、具体と抽象を重要なものとわかっているから、国語という教科の中でずっと勉強してきたのでしょうが、私にはそれが、「国語の点数を上げるための方法」という狭いイメージがあるのです。
具体と抽象の概念は、国語という強化の枠内にとどまるものではありません。もっと広く人間社会の土台を支えているものであり、視野を無限に広げる扉となり得るものだと思います。
例えば、かみ合わない議論というは、お互いの抽象度(具体度)がズレているからです。本末転倒が起こるメカニズムも、具体と抽象で説明できます。新しいアイディアも、具体と抽象を意識することで考えやすくなります。
具体と抽象は、国語という型枠内のものではありません。意識することによって、人間社会を生き抜くためのフィルターを得られるのです。
プレゼントの無料小冊子を更新しました。「子どもの非行を防ぎための素直な頭のつくり方」です。
非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。
子どもは周りから吸収する度合いが強いので、子どもの成長は周りの大人次第の側面があります。「周りの大人が自己中から脱し、素直な頭を持つ事で、接する子どもにも好影響を与えよう」というのが、この小冊子の狙いになります。
頭の柔軟性があり、状況や相手に応じて変化できる事。自分だけでなく、相手の考えも認める事ができる事。一つ上から全体を俯瞰できる事。そんな「素直な頭」をつくるための気づきを、この小冊子から得ていただければと思います。
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