子の声傾聴会の強みは何なのか
「警察なのに自由」なところが強みです。
警察官は非常にレアな経験をしています。警察官以外の人は通常、経験できない様な経験です。
それは「犯罪に直接関わっている」ことです。
警察官以外の人は、犯罪に直接関わる事は普通、ありません。犯罪について知ろうとしても、何かを媒介にしてしか知る事ができません。例えばテレビで犯罪について知ろうとしても、それはニュースキャスターやコメンテーターを媒介にした犯罪であり、そこにはニュースキャスターやコメンテーターの意見も入ってしまいます。
例えば新聞で犯罪について知ろうとしても、それは新聞記者を媒介にした犯罪であり、そこには記事を書いた新聞記者の意見や考えも入ってしまいます。インターネットでも本でも、間に必ず他の人の意見が入ってしまい、オリジナルの犯罪に触れる事はできません。
しかし警察官は、オリジナルの犯罪に触れる事ができます。犯罪が起きた生々しい現場で、直接被害者と話し、犯罪が発生した現場を歩き、その現場の空気を体で感じる事ができます。それは、誰かを媒介にして得られた経験ではなく、直接警察官自身が体で拾った「生」の犯罪です。
このように、警察官は日々貴重な体験をしているのですが、悪い事に、その貴重な経験を生かし切れていません。貴重な体験は、自分の中に貯めるだけでなく、誰かに教訓を与えることで、「生かす」ことができるのですが、多くの警察官は教訓を誰かに与えることをしません。インプットしたものを自分の中で消化してしまうだけで、アウトプットをしないのです。それには、いくつかの理由があります。
まず、アウトプットしようとしません。自身が警察だということが、周りの人に知られることは、警察官にとって非常に不利なので、アウトプットしようとしないのです。
警察官などの公務員には縛りがあります。「警察官はこうでなくてはならない」という社会の縛りです。そのような縛りは行動や発言の足かせとなるので、なるべく警察官であることは伏せて生活することが、警察官にとって無難な生き方なのです。
アウトプットしようという発想もありません。貴重な経験をしているにも関わらず、その経験の価値に気づいていないのです。どれだけレアな経験であり、警察官以外の人たちが経験したくても経験できないものか、想像できないのです。
非常に古い組織なので、警察官は警察組織以外を見えていません。世の中で「個の時代」「個性ある経験が求められている」「アウトプットこそが大事」などといくら言っても彼らには届きません。大組織の中でで黙々と仕事をすることが正義であり、人生の秘訣だと思っているのです。
このように警察官は、貴重な経験をしているにも関わらず、社会から縛られ、組織からも縛られた自由のない存在です。しかし私のように警察を辞めてしまえば、自由な言動ができます。アプトプットするのも自由です。
アプトプットは警察をやめればできるので、この貴重な経験を生かすには、警察官をやめるのが一番の方法なのです。しかし定年まで待っていたのでは間に合いません。そんなに長く在籍していては、組織の考えがすっかり染み付いてしまって、発想ができない人間になってしまいます。長居することなく警察をやめることが、貴重な経験を生かす上で重要なのです。
子の声傾聴会の強みは、「警察官としての貴重な経験を持ち、その経験を人のために使うべく、自由な言動ができる」という意味なのです。
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