公的立場の人間は相談相手としていかがなものか(2)

2015.07.07 (火)

相談に深入りすることが、公的機関で働く人にとってリスクである理由はいくつかあります。

まず組織という大所帯で働いているため、たとえ相談者が満足しても、相談者の感謝が担当者に伝わりにくいのです。相談者が、相談相手の対応に満足して感謝したとしても、それは組織に対する感謝となるので、個人にとしてその感謝を受け取ることはほとんどありません。それは、公的機関という組織が、個人を正当に評価していないということでもあります。深入りせずに無難に対応することになります。

次に、やる仕事が公開対象であるため、やることなすこと、すべて理由が求められることです。これでは、マニュアルから逸脱できないという心理が働いてしまいます。下手な仕事ができないという緊張感はあるかもしれませんが、革新は生まれません。「なんとなくそうしました。」や「直感でそうしました。」では通用しないからです。相談に対する対応は深入りせず、マニュアルどおりの平坦なものになってしまいます。

このような「無難な対応になってしまう」、「マニュアルどおりの対応になってしまう」という問題は、直そうとすれば直せるものです。公的組織に問題があるから直せないのです。それは、「公的機関の人間は怠けない」という前提で仕組みを作っているからです。本来、人間は易きに流れるものなのに、公的機関の人間は易きに流れない、決して怠けたりしないかのような前提で仕事の仕組みを作り、メッセージを発信しているから、結果、無難なマニュアルどおりの対応に行き着いてしまうのです。

このように、公的機関で働く人間にとって、相談に深入りすることはリスクであるため、彼らは相談に深入りしようとはしません。相談相手選びの参考になればと思います。

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