仕事に応用できる「具体と抽象」〜メタ思考トレーニング
私が今まで読んだ著者の本は、どことなく仕事以外の日常生活が想起される内容でしたが、本書はビジネスに応用することを前提に書かれている内容です。私が読んだところでは、ビジネスの参考にしやすい部分が随所に見られます。
特に後半のアナロジー思考トレーニング部分です。「具体→抽象→具体」という思考の方法がわかりやすく書かれています。質問のトレーニングによって、読者も自分の頭で考えるようにうながされるので、身につきやすいのかもしれません。
ですが、やはりこの「具体→抽象→具体」という思考は、簡単にはできないもののようです。頭を使わないと、うまく「具体→抽象→具体」の流れを考える事ができません。簡単にはできない、わかりやすくはないから、抽象があるのであって、そこに抽象がなかったらわかりやすくできるものなのかもしれません。
「アイディアを閃く」とは言いますが、これはどうやら「見えるようになる」ことのようです。何が見えるようになるのかと言ったら、関係性です。それまで関係ないと思われていたものの間につながりが感じられるようになる事。これが閃きなのだと思います。
多くの革新的なアイディアは既存のアイディアの組み合わせ、とはよく言われるものです。関係性がわかり、応用ができるようになる事が、アイディアなのかもしれません。本を読んだり、セミナーや講演を聞いたりしてためていた数々の情報。
それらを繋がらせ、それぞれに長所などを応用できるようになる事。向こう側の仕組みを、うまくこっち側に使う方法が見えるようになる事。それが閃くという事なのでしょう。
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