子どもの非行を防ぐ抽象化思考の、おさえておきたい性質とは(7、何を捨てるかで決まる)
抽象化の良し悪しを決めるのが、「何を捨てるか」です。抽象化は枝葉を切り捨てて幹の部分だけを残すことです。応用可能な大事な部分を残して一般化し、他のどうでもいい部分を捨ててしまって無いことにするのが抽象化です。
捨て去ることを、国語的には捨象と言います。捨象するのは必要のない枝葉の部分です。一般化からもれた部分になります。どこを残してどこを捨てるのか。どこが幹の部分で、どこが枝葉の部分になるのかの判断が、抽象化の良し悪しを決めるのです。
例えば、見てきた映画について、抽象化して説明するとします。もし説明する相手がビジネスマンであれば、難しい切り口で抽象化するのもいいでしょう。「あの映画は、これまでの映画マーケティング手法にとらわれないものです。」と言っても通じます。
ですが説明するのが子どもであれば、「マーケティングが・・」と言っても通じません。子ども相手の目線が必要です。「怪獣がたくさん出てくる映画だったよ」とか「子どもでも楽しめる映画だね」などという抽象化が求められます。
また、説明する相手が音楽に興味のある人であれば、「BGMにこだわりが感じられた映画だった」という説明もあり得るでしょう。この様に、どの切り口で抽象化するか。どの部分を残してどの部分を捨て去るかが、その抽象の良し悪しを決めますし、その抽象化が良くて話が盛り上がれば、より良い未来が訪れるのです。
ですが、もし相手の価値観とは違う切り口で抽象化した場合はどうなるでしょう。相手から見れば、「なに細かい所にこだわっているんだろう」と、映るでしょう。あなたが「これは」と思って抽象化したものは、相手にとっては枝葉の部分である様に映るのです。取るに足らない細かい部分を大事だと思う人。細かい人。と相手からは思われるでしょう。
この様に、どの切り口で抽象化するか。どこを幹としてどこを枝葉と捉えるか。どの部分を捨象するかは、その時の目的や、伝える相手によって違ってきます。その時その時の状況次第になります。人を男女別で分ける場合もあれば、年齢別で分ける場合もありますし、出身地別で分ける場合もあります。どこを捨象するかで、抽象の良し悪しが決まるのです。
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