ニート生活の方法や思考を紹介〜ニートの歩き方
ニートである著者が、ニートになった理由、ニートの暮らし方、ニートのこれから、などについて紹介する本です。単純に「ニート最高!」という内容ではなく、ニート生活の限界やニートである事のデメリットにも触れてあります。社会のレールを外れることに対する俯瞰的な視点を、リアルな情報と一緒に読むことができます。
本書で私が共感した箇所の紹介です。
◆お金をあげると回り回る
人にお金を譲ることを、もっと前向きに考えではどうでしょう。募金箱にお金を入れたり、誰か困っている人にお金を渡す際、もっと額を増やしたり、その機会を多くしてはどうでしょう。なぜなら、お金を人に譲る事は気持ちのいいものだからです。条件をつけずに、相手がどんな事に使おうと関与しない事。
お金を譲る事は、可能性を広げる行為に似ています。どんな使われかをするか、どんな風に譲った相手の人生を変えるのか、想像を楽しむ事です。自分ではない他人が使うという事は、自分では思いもつかないような方法で使われるはずです。自分ではできないことに使われるため、自分の可能性の拡張だという考えです。
◆人間の行動は世代に規定される
自分が生まれる前から世の中にあったものは自然に受け入れられるし、30才までに世に現れたものは刺激的に見えるし、30才以降に現れたものは受け入れ難いものに見えます。太古の昔から「最近の若者は・・」と世界各国で言われ続けてきたように、「今」の自分の感情とは結局は、世代特有の特徴を多分に含んだものなのでしょう。
学校に通うことを当たり前と思いつつも、学校の閉鎖性や非生産性に危険を感じます。インターネットに刺激を受けつつも、どこまで子供に触れさせるかと悩んでいます。物を持ちすぎる親の世代に対して「わかってないなぁ」とため息をつきます。親世代もそうやって生きてきたのであり、私もいずれ子どもから「頭が固い」と言われるのでしょう。
◆集団は全体で1つのようなもの
いじめも「いじめっ子」と「いじめられっ子」という固体を見るのではなく、いじめがあった集団を見ると、また違う見え方がするのだと思います。いじめっ子をクラスから無くしても、また次のいじめっ子が出てきます。いじめられっ子の性格を矯正しても、また次のいじめられっ子が出てきます。
集団にはある一定の割合で役割が存在します。いくら固体の役割を変えても、その役割に選ばれる別の個体が出てくるのです。役割をなくすには、集団全体を見る必要があります。クラスの中にいじめが存在している以上、いじめをなくすには集団全体に変化を与えることが必要なのです。
いかがでしたか?読んだ後は、ニートを取り巻く環境について思慮深くなります。参考にしてくださいね。
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