生産性から離れる〜老いる勇気
「嫌われる勇気」と「幸せになる勇気」ほどのインパクトはありませんでしたが、アドラー心理学の観点からの老いへのとらえ方です。著者自身の、父親の介護を通しての「どう思ったか」や「何を考えたか」が語られています。
著者は、幸福になるには生産性から離れることだと説いています。生産性を意識する癖をなくすことが、幸せになる道だと言うことです。今、世の中では頻繁に「生産性」と言う言葉が使われていますが、「生産性から離れる」とは時代に逆行する考えでもあります。
私たちは物事を考える際、ついつい生産性の観点から見てしまいがちです。目的地に最も早くたどり着ける道を探して、目標を短時間で達成できる方法を選んで。どうすれば、こなすことができるか。どうすれば、達成することができるか。どうすれば最短で終わらせることができるか。そのような物差しで物事を判断しがちです。
ですけど何事も生産性ありきで考えると、「使える人」と「使いない人」に分けてしまいがちです。生産性が高い人が優遇される一方、生産性が低い人は、生きづらくなってしまいます。「もっと早くできないのか」「もっと身近くならないのか」と、ケンカを売るような態度になりがちです。
そこで、生産性から離れることが必要なのです。「早く終わるから優れている」「身近いから優位だ」というのではなく、「ただそこにいるだけでいい」と思うのです。「たとえ生産性が低くても、いてくれるだけでいい。」と思うことが、幸福には必要なのです。
プレゼントの無料小冊子を更新しました。「子どもの非行を防ぎための素直な頭のつくり方」です。
非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。
子どもは周りから吸収する度合いが強いので、子どもの成長は周りの大人次第の側面があります。「周りの大人が自己中から脱し、素直な頭を持つ事で、接する子どもにも好影響を与えよう」というのが、この小冊子の狙いになります。
頭の柔軟性があり、状況や相手に応じて変化できる事。自分だけでなく、相手の考えも認める事ができる事。一つ上から全体を俯瞰できる事。そんな「素直な頭」をつくるための気づきを、この小冊子から得ていただければと思います。
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