おっさんの服は頑張るとイタくなる〜35歳からのおしゃれ術
色々と勉強になる本を見つけてしまいました。しかも面白い。笑える。それがこの「35歳からのおしゃれ術」という本です。副題に「ガンバラないからカッコいい」と書いています。おそらく、世の中に頑張ろうとして気合が入って、痛々しいおしゃれさんが多いからでしょう。自分も気をつけないと、です。
気合が入りすぎて、かっこ悪い格好になっているおっさんたち。おそらく誰もが、20歳前後の全盛期を鏡の向こうに見ているのではないかと思います。今、鏡に写っているのは本当の自分ではない、様な。一見、目の前の鏡には中年のおっさんがうつっているけれど、ちょっと見方を変えれば若者に見えるんじゃないか、という様な。
この本には、自虐的な表現がふんだんに組み込まれています。自虐的でクスッと笑えるから、最後まで読めるんです。本当に言われているなら、悲しくなって最後まで読むことなんてできないでしょう。表現がうまくて、読んでいるおっさんを傷つけない様に工夫されているから、完読する事ができ、身につくんだと思います。
35歳を過ぎたらいいおっさんなので、若い人の様にゴテゴテしたものを追うのはやめよう、という内容です。派手な色の服をきたり、狙った感のあるアウターを着たり、「どうだ!」感のあるアクセサリーをつけたり、です。
それらは、若者にだけ許されるものだそうです。「若さ」という特権があるから、どんなに痛くても多めに見てもらえる。あるいは格好良くさえ見える、のだそうです。35歳を過ぎてファッションを頑張っていたらイタいだけだそうです。当たり前ですよね。
おっさんになったら、ファッションは二の次。一番に来るものでは決してありません。ファッションの本であり、ファッション業界で生活して来た著者がそう言っているんです。こんな自虐的で痛快な本は他にありません。
自戒を込めて、いくらか書いておきます。まずは細いズボン。あんまり良くない様です。ある程度細いのはいいかもしれませんが、スキニーまでいくとやりすぎだそうです。確かにそうですよね。大して細くもない足を細く見せようとして。大してシルエットがいいわけでもないのにい、シルエットがいい様に見せようとして。いいおっさんなのに、ファッションを気にして。そんな風に思われてしまいます。
それと細いシャツ。あれもキモくなってしまいます。細い体型でもないし、細い体系が格好いい年でもないし。年月を得て顔にはシワがよって、雰囲気も重苦しくなって、肌も荒々しくなっているので、無理に細いシャツを着ていい格好しようとすると、若作りしようとしている感が出てしまう様です。
さらにハーフパンツ。短すぎるのも良くありません。私なんかは以前、「靴とハーフパンツの間の足が見えていた方が足が、足が長く見える」とファッション雑誌で読んだ事があったので、何年もその頭でいました。ですがさすがにそういう時代でももう無いのでしょう。そもそも「足を長く見せよう」という意識が35歳以上では間違っているものなのかもしれません。
次は頭。私はやっていませんが、茶髪は「百害あって一利なし」だそうです。イタいだけだからやめる様に、とのこと。これも納得です。ピチピチした肌だから、茶髪って格好いいんだと思うんです。年季の入ったおっさん肌の上に茶髪があったら不気味ですよね。それと、おっさんに前髪は必要ないそうです。額を潔く出す様に、だそうです。額を出すことのメリットは知的さが出ること。幼っぽさが出る様な前髪を意識した髪型は、オーバー35には不具合でしょう。
私はちょっと抵抗がありますが、ヒゲは、許されるならあったほうがいいんではないか、と書いています。確かに雰囲気が出ます。おっさんは、ヒゲをつけて、メガネをつけて、帽子をかぶれば、それなりに見えるそうです。体の中で顔は目立つので、「そこだけ意識すればいい」様なことも書いています。
私的に以外なのが、ボディバッグ。これはやめた方がいいとのこと。というのは、私がボディバッグをよく使うので、少しガッカリです。楽なんですよね。手も余裕で動くし、体幹も動かしやすい。で、ファッション的なおすすめはトートバッグだそうす。無難なのかもしれません。リュックは「おおいに活用せよ」と書かれています。ただし紐の長さに注意です。チュック本体が体の中心くらいがいいんだそうです。
というわけで、35歳以上の男性・おっさんに向けたファッションの指南書でした。なんか、読んでいると普段の自分に気づきます。誰もが意識してしまうファッション。どんなに飾らない人でも、何かしら意識しているに決まっています。その意識を、恥ずかしいくらいに掘り返してくれる内容です。
さりげなく意識すること。がんばっている雰囲気を出さないこと。自分が没頭するものを補完するものであること。それが、もはや若者ではない、おっさんが意識するべきファッションなんだそうです。この本を読んで目が覚める人はいると思います。ぜひ読んで見てください。肩の力が抜けます。
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