相手に自分の意思を伝える、とっておきの方法とは
相手に自分の意思をうまく伝えるには、リアリティが必要です。リアリティを出すために必要なのが、伝える側の本音なのです。
警察から取り調べを受けたことがあるでしょうか?
例えば犯人の取り調べの際に警察官は、なぜ事件を起こしたのか、その時はどういう心境だったのか、どのように犯罪を犯したのか、などを犯人に聞きます。いつ、どこで、誰が、なぜ、どのように、犯した犯罪なのかを裏付けるためです。
目撃者の取り調べの時に警察官が作成するのが、調書と言われるものです。取り調べで得た情報を、紙ベースで記録に残すのです。
警察官は日々、「いい調書」を作成できるように心がけています。「いい調書」とはどんなものでしょうか。私は昔、先輩に「いい調書とは映画のようなものだ」と教えられたことがあります。
「紙で印刷された調書を読んだだけで、まるで映画を見たように内容がわかる」という意味だそうです。調書に書かれた内容に奥行きがあって、まるで音が聞こえてきたり、映像が浮かんで来るように、犯罪が発生した当時の状況がわかるもの。
犯人が犯罪を犯す際の心の葛藤、緊張、心境の変化などが、リアルに読み手に伝わる様な調書が、いい調書だというのです。
私は「映画のように」という先輩の言葉を覚えているので、調書を取る際は現実味、リアリティが伝わるように取っていたつもりです。どうすれば調書にリアリティが出るのでしょうか。調書にリアリティを出すために必要なのが「本音」なのです。
犯人が持っている心の奥の声・本音だけが、犯行時に見えていた状況、犯行時の心境の変化、犯行に至る心の葛藤、などをリアルに物語るのです。
相手に自分の意思を伝えるには、話にリアリティが必要で、話にリアリティを出すには、伝える側の本音が必要なのです。
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