日本人に必要なリーダーシップを幼児から育む必要性〜世界基準の幼稚園

2018.03.13 (火)

 

「6歳までにリーダーシップは磨かれる」という副題にひかれて購入しました。私も子どもに身につけてほしいものは何かと聞かれたなら、リーダーシップと答えると思うのです。日本人にはリーダーシップに対する理解が本当にありません。人前に出られず、人より先に行動できず、1人で決められず。

 

 

リーダーシップに対する理解がないために、フォロワーシップもできません。リーダーシップを取ろうとする人間の足を引っ張ってばかり。リーダーシップを取ろうとしている人間の心情が理解できないと、うまいフォロワーシップも取れないのです。チーム全員のリーダーシップの総数が、リーダーとフォロワーというチームを作り上げるのです。

 

 

そして、そのようなリーダーシップのない者たちが沢山いる場所が、今の日本の組織なのです。本音と建前を使い分け、空気を読み、ハラスメントが横行する組織なのです。子ども社会にも大人の社会にも蔓延する、「誰もがやったほうがいいと思いつつも誰もやろうとしない」。そんな問題を解決するのは、リーダーシップの育成なのです。

 

 

で、この本です。副題には「リーダーシップ」とありますが、本書にはリーダーシップを育むための他と違う独自性を特に感じません。著者は「主体性とか自由を育むことがうちの独自性」と言いたいのでしょうが、いまどき子育てにおいて、「みんな一緒がいい」とか「早くからたくさんの習い事をさせるのがいい」と思っている人は皆無でしょう。

 

 

昭和の時代ならまだしも、今は平成も終わろうかという時代です。その中で、自主性を軽んじた教育方針を掲げている園や家庭などありません。みんな子育てにおいては、子どもの自主性を育むことが大事だとわかっています。ですが実際には行動が伴われていません。行動に移すことがいかに難しいかです。

 

 

本書もそうなのではないかと思うのです。本書に乗っているような自由時間を重んじるとか、集中を尊重するというのは、何年も前から言われていることです。ですが今だにこれらのことが大事だと言われているのは、育児業界において、多くの人が実践できていないのでしょうか。

 

 

本書にしてもです。おそらく、筆者も言うほどできていないのではないでしょうか。本にしろブログにしろ、書く側はその内容に「自戒を込めて」いるものです。特に本の出版などのアウトプットは、自分すらできていないものをアウトプットすることが多いものです。人生を左右するほど気になるものは、そう簡単に自分でも実践できないのです。

 

 

本書は他の教育本や育児本と比べて、それほど独創的なことを言っているわけではありません。月並みな内容です。主体性とか、外遊びとか、自由とか。ですがそれらが育児にとって日本社会にとって、重要なのは確かなものです。いかに実践するかです。

 

 

待つこと、諦めないこと、寄り道を大事にすること、無駄こそが幅を育むこと、自由時間が創造力を芽吹かせること、任せること、先取りしないこと、主体性が出発点であること、集中は子どもを成長させること、怒るなど評価しないこと、誘導しないこと、言いくるめないこと、などなど。それらは子育てに関わる多くの人が頭では理解しています。問題は実践なのです。

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