人からだまされない様にするにはこれが大事〜先入観はウソをつく
先入観を持った判断に警笛を鳴らす本です。
私たちは常日頃、様々な判断や決断を行っていますが、それらの多くには先入観が働いています。もちろん、先入観は私たちの生活に必要なものです。先入観があるからこそ、初めから説明してもらったり、一から自分で色々と試して見たりしなくても、生活をしていくことができるのです。
例えば、食堂の近くで独特のスパイスの匂いがすればカレーを作っているところを想像しますし、部屋に入ろうとしてドアの真ん中あたりに突起物があればドアノブだとわかりますし、スマートフォンのスワイプやピンチも先入観で操作しています。
ですが、先入観はいい働きばかりでなく、悪い働きを私たちに施します。スーツを着て人当たりのいい人の話は信じてしまいますし、その人が高学歴だったならば「頭もいいのではないか」と想像します。高額投資の話を持ちかけられても、なかなか自信を持って断れません。
先入観は、間違った判断の源でもあるのです。そこで先入観を外す方法です。頭の中に「受け入れ箱」を作る方法です。
大脳の中にある「今まで教えられた知識」「過去に経験した知識」を80パーセントくらいにとどめて、残り20パーセントの空いた場所ができるようにします。そして20パーセントのうちの10パーセント分を「受け入れ箱」、残り10パーセントを「比較箱」として脳内に作ります。
「受け入れ箱」とは、相手の意見を素直に受け止めることです。たとえ相手があなたに否定的な意見を主張していたとしても、話を遮るでもなく、同意するでもなく、相手が何を言おうとしているのか理解するのです。
そしていったん受け入れた後、少し時間を置いてから、受け入れ箱から話を取り出し、また受け入れ箱から取り出して、自分が今まで培ってきた知識(先入観)を「比較箱」に入れて、両方を比較して見るのです。
この方法により生活の中でも視野を広げることができるようになり、悪い先入観の働きによる判断ミスを防ぐことができるのです。
私たちは育児に対しても、多くの先入観を持っています。「子どもは〜に違いない」「子どもは〜だろう」などです。先入観の悪い働きを迎え、いい働きを促すことが重要になります。
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