結論を伝えるよりも先に、前提をそろえよう〜一番伝わる説明の順番
話をするとき、誰かに思いを伝えるとき、大勢の前でプレゼンするとき、あなたは何から順番に話していますか?よく言われるのが「結論から」です。最後に結論を持ってこられたのでは、聞いている方はどこに向かって話が進んでいるのかわかりません。
結論を最初に持ってくることによって、その後から話される理由や根拠が生きています。結論という目的地が話す方と聞く方、両方に意識されていてこそ、理由や根拠が話全体と繋がり、例え話や数字のデータが生き生きとしてくるのです。
でも実は、結論を伝えるより先にするべきものがあります。それが前提をそろえる事です。前提が整理されていると、結論自体がより効果的になります。前提とは、聞き手が何を聞きたいと望んでいるのか、話し手が何を話したいと思っているのか、そのギャップをどうするのか、です。
話の内容、つまり結論と理由と根拠が話をする側のものだとしたら、前提とは聞き手側も含めた全体の地図、ということになります。よく言われる「結論から話せ」は、話し手にとってのことです。
話をより効果的にするには、相手に刺さるようにするには、聞き手側のことも考えなければなりません。それが、結論より先に来る前提をそろえる事なのです。前提をそろえる事で、改めて全体図が見えてきます。
時間内に何を話せばいいのか、どこまで深く話せばいいのか、どこに重点を置いて話せばいいのか。聞き手側抜きで考えていた内容に修正が加わります。それは、聞き手側の実態がない状態で考えていた、つまり準備していただけではつかめなかった、準備と実践のブレになります。
難しいのが「前提をそろえることが実践の中でしかできない」ということでしょう。前提をそろえるには相手が必要であり、その「相手がいる」というのは、つまりは本番です。本番が始まってからしか、前提をそろえることはできないのです。
本番が始まって、実際に準備してきた内容を話すまでのわずかな間。そのわずかな間に、自分が話したいことと、相手が聞きたいことのギャップを捉えて修正するのです。それをすることで、「場」全体の一体感が出てくるのでしょう。
具体的には、雑談ということになります。一見なんの関わりもないような世間話から、
・聞き手のレベルはどのくらいか
・聞き手の雰囲気はどんな感じか、
・この聞き手なら、ここを修正した方がいい
・ここを修正すると、全体としてこんな感じかな
というのを頭の中で整理することになります。
伝わりやすい話し方とは、結論と理由と根拠があって、結論よりも先に前提が整理されている話し方です。聞き手の望む内容と、話し手が話したい内容のギャップを修正する作業なのです。
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