将来、ますます社会の治安が歪む理由とは
近い将来、治安を担う警察組織がどのようになっているかです。
おそらく、今よりもはるかに働きづらい組織になっているはずです。それは、社会が変わっているのに対し、警察組織だけはそれでも変わらないからです。
どの本を読んでも言われていますが、テクノロジーの進歩がますます社会を変えそうですね。人工知能とか、ロボットとか、IoTとか。
今後、公務員に対するしがらみはテクノロジーの進歩でますます強くなります。誰でも情報を簡単に引き出せるようになった結果、市民が警察官に求めるものは、以前よりも強くなったからです。今後はますますその傾向が強まるのです。
インターネットを見れば、法律やその都合のいい解釈の仕方まで載っています。
「これは法律違反ではないのか」
「警察官がこんな事でいいの?」
誰もが簡単に理論武装ができるようになりました。
そして、社会には逃げ場がないほど、監視の目が光っています。社会には人口数以上の携帯電話が広がっており、それらの携帯電話一つ一つにネット接続できるカメラがついています。ドライブレコーダーも普及してきました。街頭にもカメラの目が光っています。
しかし、この誰でも法律に関する情報を引き出せるようになり、逃げ場がないほど監視の目が広がった結果、立場ある人間にとっては逃げ場がないという状況になりました。今まで曖昧である事で成り立っていたものが、曖昧では済まなくなっているのです。
問題は、テクノロジーが進歩した社会に対応して警察組織は変わることができないことです。法律の問題と意識の問題によるからです。
まず法律の問題です。警察は法律を扱う組織なので、警察の性質というのは法律の性質でもあります。法律を簡単にポンポン変えることはできません。そんなに簡単に法律を変えていたら、何が悪くて何が良いのかの基準がわからなくなるからです。今の法律も明治時代のものを引きずっています。
ですので、社会はどんどん変わっているのに、だいぶ昔に作られた法律を使って社会の治安を守らなければならないことに無理があるのです。社会にインターネットがはびこっている今、人一人が犯人であるかどうかを証明するのは容易ではありません。無理な取り調べや冤罪のニュースはそのためです。
次に意識の問題です。警察は、それでも変わろうとしないという意味です。昔ながらのマンパワーに頼っているからです。インターネット、人工知能、IoTの時代において、生身の人間が身を削って働くことで発揮できるマンパワーこそが、組織の生命線だと思っているからです。
昭和の時代の様な人情味があり、テクノロジーの進歩にはマンパワーで対抗する様なものが、ある意味ブランドになっている部分があります。ですので、インターネットで理論武装する社会に対し、警察官はマンパワーで対抗するという妙な図式が生まれるのです。
近い将来の警察組織。それはますます働きづらくなった労働環境です。そしてそれは、我々市民にとってもデメリットでしかありません。テクノロジーで変わる社会に対しマンパワーで治安を守るという歪んだ構図なのです。
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