選択肢が集中力を削りとる〜自分を操る超集中力
集中力の発揮の仕方を紹介する本です。我々人間には、1日に24時間という時間が平等に割り振られています。ですが同じ24時間を共有していても、高いパフォーマンスを発揮する人とそうでない人がいます。与えられた条件は一緒なのに、成果に違いが出ているのです。
いくつもの案件を抱えてアップアップになってしまう人もいます。その様な人は結局、何もこなすことなく時間だけが過ぎていきます。幾つもの案件を次々に片付けて、新しいことにも色々と手を出せる人もいます。その様な人はインプットもアウトプットも常人の何倍もこなしている様に見えます。
その様な違いは集中力によるものだというのが、著者の主張です。集中力は、先天性によるものではありません。考え方、生活の仕方、仕事の仕方次第でいかようにもなるものです。正しい知識を持って、うまく集中力を発揮できる様になるのが本書のねらいです。
まず集中力の源は、前頭葉のウィルパワーと呼ばれるものです。ウィルパワーは、前頭葉の体力・ライフゲージの様なものです。このウィルパワーには一定の量があり、集中力を使うたびに少しずつ消耗していきます。ですから「ウィルパワーを増やすこと」「ウィルパワーを節約すること」が、集中力をうまく発揮するコツになります。
集中力を節約するコツをお伝えします。それは意思決定を習慣化することです。集中力は、行動ではなく意思決定によって消耗します。いくら体を動かして体力を消耗しても、ウィルパワーには影響はないそうです。ですが、どっちにしようか悩んだり、頑張って物事を決めたり、その様な意思決定が、ウィルパワーを消耗させるのだそうです。
人間にとって、毎日は意思決定の連続です。朝起きて、から始まってまた寝るまで、幾つもの選択肢をくぐり抜けて生活しています。大きな仕事上の選択肢から、生活上の例えば「どの道で駅まで行こう」「昼は何を食べよう」「どの服を着よう」という小さいものまで多岐に渡ります。これらの1つ1つが、ウィルパワーを消耗させるのです。
ですから、先延ばしというのは良くありません。悩んだ末に意思決定を持ち越すのは、ウィルパワーの消耗という観点から非常に良くないのだと思います。1つ1つ、着実に案件をなくして行って、ウィルパワーを他のところに使う様にしたいものです。
それと習慣化がウィルパワー節約のキモになります。無意識のうちに意思決定ができる様にするのです。そうすれば、悩んでウィルパワーを無駄に消耗することがなくなります。本書で進められていて、私も共感したのは服選びです。着る服で悩まないのは、生活する上で非常に有利だと思いました。
持っている服を少なくして、服選びに迷うことをなくせば、無駄に悩むことをなくせます。他の部分に集中力を使うことができます。自分のやりたいことのパフォーマンスをあげることができるでしょう。
試してみてください。
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