ストレスに意義を感じる〜トークいらずの営業術
営業にトークは要らない。要るのは5つ。観察力、判断力、行動力、説得力、忍耐力。・・というのが本書の主張です。著者は、メディアにも出演しているメンタリストのあの方。心理学を駆使してバラエティーでも活躍しています。プロフィールを読んだら、意外にも工学部の出身だそうです。
全体的に、表現や説得力が薄い感じがします。それぞれが連動しておらず、部品を力づくでとってつけた様な。おそらく「トークいらず」というコピーに無理に内容を合わせたのでしょう。著者の本はこれが初めて読んだ本でした。期待していただけに、やや肩透かしを食った印象です。
唯一共感を感じたのは、忍耐力の章です。営業はストレスを受ける職種でもありますが、ストレスは本当に悪者でしょうか。著者は、ストレスと悪者と思う気持ちこそが有害である、と説いています。ストレスと悪者と思わず、自信を成長させるチャンスととらえるのです。
本当かどうかはわかりませんが、実際にストレステストをした結果があるそうです。被験者はプレッシャーを与えられながらミッションをこなしていくのですが、同じ様にプレッシャーを与えられたにも関わらず、パフォーマンスが向上したグループと低下したグループがあったそうです。
パフォーマンスが向上したグループは、あらかじめストレスのプラス面を教示されていたそうです。「ストレスを受けて心拍や呼吸が早くなる事で脳に血液が行き、成績が上がる」という内容の。ストレスもプレッシャーも「解消しなければならない」という思い込みが、パフォーマンス低下をもたらす様です。
ストレスやプレッシャーに意義を求めて、我慢でなくすること。それが、ここで著者の説く忍耐力なのです。
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