やり直しが効く明るい人生〜定年後不安
タイトルからして一見「定年後の不安をあおる様な内容かな」と思ったのですが、そうではありません。むしろ、人生について明るく前向きになれる内容です。読後には、膨大なこれからの時間に思いをはせ、「さて何しようかな」と、未来に向かっての取り組みにワクワクしながら考えられるようになるはずです。なぜならそれは、人生をやり直せるからです。
人生100年時代と言われています。医療の発達、テクノロジーの進化、健康に対する取り組みなどによって、人間は誰しもが100歳くらいまで生きられる様になるのです。これはとんでもない事ですよね。仮に60歳で定年退職したとしても、そのあと40年間もあるのです。20歳から60歳まで生きた時間と同じ時間が、60歳以降にも用意されているのです。
おそらく30代40代ともなれば、多くの人が自分の人生において「ああしておけばよかった」「こうしておけばよかった」という後悔を少なからず持っているのではないでしょうか。もう一回人生があったならという希望です。それが想像だけに終わらず、実現可能な社会が「人生100年時代」なのです。
60歳程からもう一度人生をやり直せると考えられるでしょう。しかも一回人生を何十年とやってきているので、自分の方向をある程度知った上でのやり直しです。自分の望む方向、好きな方向へ行くことができる精度は一回目よりも上がっているはずです。
本書には、人生のやり直しというチャンスをものにするための方法が記載されています。ただ漠然と60歳を迎えては、同じ轍を踏み兼ねません。「ああすればよかった」という後悔をまた繰り返すだけです。理想の人生を得るには、それなりの準備、考えが必要なのです。
著者はトリプルキャリアという考えを説いており、それがこの本のキモになります。60歳までが第一のキャリア、75歳までが第二のキャリア、それからが第三のキャリアです。これまでもダブルキャリアという考えは他の本でも説かれていたと思いますが、そこからさらに長い目で見て第三の人生までも視野に入れる考えです。
トリプルキャリアへの移行は、「健康」が柱になります。健康でなければ退職後の人生を謳歌できません。そのためにはストレス対策も含めて、いかに健康を維持しながら生きて行くか、サードキャリアへバトンを渡すかが重要になります。私たちは、人生をもっと長い目で見て、緩やかに穏やかに日々を送るべきなのかもしれません。
その様な、前向きで穏やかな日々の向こうに、やり直しの効く人生が待っているのでしょう。ストレスを無くし、自分が好きなものを選び、100年時代を視野に入れた準備を楽しくする事で、やり直しの効く人生が手に入るのだと思います。
関連する投稿
- どら焼きを食べながら「怒りについて」を読もう
- ローマ皇帝は桜木花道なのか。BBC「ザ・ローマ」に見るレトリックと詭弁
- すべての本の共通点。本には何が書かれているか〜ドラえもんの読書感想文が書ける
- 正当な対価という自己都合な倫理〜お金は銀行に預けるな
- どうして文章を書いていると考えがはっきりするのか〜伝わる・揺さぶる!文章を書く
現在の記事: やり直しが効く明るい人生〜定年後不安