子どもの非行を防ぐ抽象化思考トレーニング(1、争わない)
争うことは、具体レベルの視点でしか物事を見ていないと言えるでしょう。抽象化の視点とは、争わないで解決できる道を探すことです。
個々具体的に社会を見回すと個人が乱立しているように見え、競合がたくさんいるように見えます。ですが、一歩引いた視点で見回すと、どれもが同じ種類の人間である事がわかります。背の高い人や低い人、エネルギーに溢れている人や疲れている人、女性らしい服装の人や男性らしい服装の人、品のある人、ガサツな人。たくさんの個性あふれる人たちが溢れています。一見、お互いにそれぞれ相容れないように見えますが、結局は同じ人間でしかありません。要は人間なのです。
抽象化思考は、人を優しくさせます。それは、自分と他人を断絶しないで考えられるからです。具体的な視点しかなければ、目の前にいる人間は赤の他人です。共通点は何もありません。知り合いでもないし、共通の知り合いがいるわけでもないし、どこかで一緒だった事もありません。
ですが抽象化の視点があると、そこに想像力が生まれます。相手の視点を推測する姿勢です。この人は何を考えているんだろう。この人と自分はなんで価値観が違うんだろう。この人の言う通りにすれば、もしかしたらこんな事もできるかもしれない。
その相手を思う視点が、優しさや思いやりと呼ばれるものなのです。断絶したままでは相手の視点に思いを馳せることができません。自分とは違う価値観の目の前の人間を受け入れ、相手の視点を想像する事。相手目線で世の中を見ようとする事が、優しさや思いやりを生むのです。
ですが、争わないばかりではやっていられないのが世の中でもあります。どっちか一人を選ばなければならない状況、どっちか一人が先にいかなければならない状況。社会を生きていると、争いを促すような条件が整っている場合が往往にしてあるのです。
例えば席が限られている場合です。移動で電車に乗ろうとすれば、席の取合いが見られます。朝の通勤ラッシュの時は、相手いる席に自分が乗ろうとする人で争いが毎日、多くの場所で発生しています。カフェの席もそうです。人気のあるカフェというのは、席の数にも限りがあります、多くのお客さんが訪れるので、なかなかいい席が空くことはありません。居心地がいいので、ついつい長居したくもなります。
そこで求められるのが、争わない方法を考えることです。どうしたら争わないでいられるのか。争わずに、けれども敗者も出さずにその場を収めることはできないか、です。
孫子の兵法には「戦わずして勝つ」という言葉があります。百戦して百勝もいいけれど、それよりもいいのは戦わないで勝つこと、との事です。剣豪である宮本武蔵は晩年、無刀を説いたと言われています。その真意はわかりませんが、血なまぐさい刀での争いから一歩引いた視点であることは確かだと思います。合気道の達人である塩田剛三は、最強の護身について「自分を殺しに来た人間と友達になる事」と説いています。そもそも争わないことが、自分を護る術なのです。
世の中には争いを促す仕掛けがたくさんあります。「希少だから争ってでも得なければならない」と思わせるからこそ、経済も発展するのだと思います。ですがそんな中で一歩引いた視点を持つと、「そもそも争わなくてはいけないのか」と思えるものがたくさんあります。争わないで済むならそれに越したことはありません。争わないで済む方法とは、争いから一歩引いた視点であり、客観的な視点です。世の中にたくさんある争いの仕掛けを疑うことが、抽象化思考のトレーニングを促します。
プレゼントの無料小冊子を更新しました。「子どもの非行を防ぐための素直な頭のつくり方」です。
非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。
子どもは周りから吸収する度合いが強いので、子どもの成長は周りの大人次第の側面があります。「周りの大人が自己中から脱し、素直な頭を持つ事で、接する子どもにも好影響を与えよう」というのが、この小冊子の狙いになります。
頭の柔軟性があり、状況や相手に応じて変化できる事。自分だけでなく、相手の考えも認める事ができる事。一つ上から全体を俯瞰できる事。そんな「素直な頭」をつくるための気づきを、この小冊子から得ていただければと思います。
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