より分類されたゼロからの思考法〜「0から1」の発想術
世にゼロからイチへの発想方法を紹介する本は数多くありますが、それらの多くは「組み合わせ」を推奨したり、「頭を刺激する」の様なあまり中身のない表現を使っていたり、どこか論理性に欠けているものです。新しいアイディアが既存のものの組み合わせなのはすでに周知のことなので、もう一歩踏み込んで「アイディアを出すとはこういうことだよ」という意見が欲しいところです。
この本は、まさに「アイディアは既存の組み合わせである」からもう一歩踏み込んだ発想方法を紹介してくれるものです。より細かく、より正確に、より多くの人が、箇々それぞれの状況に応じて、発想方法を使える様になっているのです。
紹介されている発想方法は15個です。
1 戦略的自由度
「何を提供したいか」ではな「顧客は何を求めているか」を考えることです。
2 アービトラージ
価格差を利用してサヤ取りをする様に、情報格差を利用して、世界で最も良いものを最も安く調達して世界で最も高く売れるマーケットで売ることです。
3 ニューコンビネーション
組み合わせで新たな価値を提案することです。
4 固定費に対する貢献
固定費を遊ばせていては利益は産まないので、稼働時間を分析して、混んでいない時には値段を下げてでも稼働率をあげることです。
5 デジタル時代の発想
今私たちがいるデジタル時代は、インターネットによって猛スピードで社会が変化していく時代です。5年もたてば社会はガラリと変わるので、インターネットに伴う5年後の未来を予想することです。
6 早送りの発送
社会の中から小さな兆しをとらえ、早送りしてその後の世界を見て、その時「見えたもの」に賭けることです。
7 空いているものを有効利用する発送
例えばウーバーやエアビーアンドビーです。「働いていない」「使われていない」「空いている」ものを有効活用します。そのためにはネットを使ってユーザーとサービスを結びつけます。
8 中間地点の発想
AとBという2つがある場合、その中間地点でポジショニングすることで、差別化を測ること。折衷案ではない、スイートスポットを見つけることです。
9 他人の立場に立つ発想
他人の立場になって徹底的に考えることで、思考回路が劇的に変わります。職位を仮に上げて考えるなど、上のレベルで考えるのも有効です。
10 すべてが意味することな何?
A、B、Cという各論が出てきたときに、各々の事象のすべてを意味しているものを見つけだすことです。
11 構想
構想とは、コンセプトやビジョンよりも大きな概念で、「見えないもの」を個人の頭の中に絵にすることです。
12 感情移入
それに対して、どれだけ熱いものを持っているか。どれだけそれに掛けているか。
13 どんぶりとセグメンテーション
ターゲットを、どんぶり勘定で見るのか、あるいは細かくセグメンテーションするのかです。(ex ソフトインワン)
14 時間軸をずらす
目の前の時間が足りないことよりも、トータルコストで考えることです。
15 横展開
違う業界、業態のビジネスについて学び、新たなビジネスのヒントを得ることです。
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