図で考える。シンプルになる。 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー
この本は、図で考えることを勧める本です。グラフィックやデザインを仕事にしている著者は、図をツールとして使うことにより、物事をより深く、より明確に考えることができると主張します。
もちろん図を使って考えた末に、誰かにプレゼンしたり見せたり語ったりするためにも図は有効なツールです。ですが、その土台である考える段階においても、図は使えるツールだというのが本書の主張です。物事を理解したり、深く考える為にです。比較したり、整理したり、見える化したりするのに、図を使うのは有効なのです。
世の中に図は、たくさんあると思いますが、著者が勧めている基本となる図は次の7つです。
1 「交換の図」です。誰と誰が何を交換する関係なのかがわかります。ビジネスモデルを見える化したい時、フェアな関係を確認したい時などに使います。失敗しないコツは、矢印を双方向にすることです。
2 「ツリーの図」です。モノゴトがどんな構造で成り立っているのかがわかります。情報が複雑にこんがらがっている時や、モノや情報を綺麗に整理整頓したい時に使いますが。失敗しないコツは、必ずどれかに紐づけることです。
3 「深掘りの図」です。なぜ今の状況が起きているのかがわかります。課題の要因を分析したい時yは、状況に対する打ち手を考えたい時に使います。失敗しないコツは、次の段に進むときは必ず複数にすることです。
4 「比較の図」です。商品・サービスがどんな立ち位置にいるかがわかります。ライバルと差別化したい時や、購入対象を比較・検討したい時に使います。失敗しないコツは、一番重視する切り口はタテ軸にすることです。
5 「段取りの図」です。計画をどんな手順で実行すればいいかがわかります。実現までの段取りを明確にしたいときや、手順のどこに問題がありそうかを考えたい時に使います。失敗しないコツは、メインの流れは一方向にすることです。
6 「重なりの図」です。商品・サービスにどんな特徴があるかがわかります。モノゴトのコンセプトを伝えたい時や、競合商品やサービスの強さを考えたい時に使います。失敗しないコツは円は2個か3個にすることです。
7 「ピラミッドの図」です。目指す方向とそこに行くまでの道筋がわかります。会社のビジョンや戦略・戦術をかんがえたいとき、目標への到達手段を考えたい時に使います。失敗しないコツは上から下・下から上の両方で一貫性を持たせることです。
「図を使う」というと、ついついデコレーションしたくなりまうす。派手な色を使ったり、アニメーションで動きをつけたくなります。ですが、本書で紹介されているのは手書きのシンプルな図です。人にわかりやすくする為には色を塗ったりして目立つようにすことも必要ですが、考える為にはシンプルな図がいいのかもしれません。
図を使えるようになれば、使わないでいるときよりも違う視点で物事を見ることができるようになります。もちろん、子どもに勉強を教える際にも使えます。社会や算数を我が子に教える際にも、とても有効な図のテクニックです。ぜひ自身のものにしてください。
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