非行の原因

 

非行の原因にはどんなものがあるのか。考えられる原因を「個人的な原因」、「家庭的な原因」、「地域的な原因」の3つに分け、列挙してみました。

 

 

1 個人的な原因

 

 

(1)性別が男である

 

 

男の子は、女の子よりも非行に走りやすいです。統計を見ると、犯罪者の約8割は男性です。

 

 

まず男性は、女性よりも暴力を好む傾向にあります。これは、道徳的というよりも、もっと根本的な、生物学的な動機によるものだと思います。暴力を好む遺伝子が、男性にはあるのだと思います。しかも子どもは社会性が未熟なため、暴力を好む傾向が大人よりも顕著に現れます。

 

 

次に、男の子は犯罪を犯すことで男としての面子が保たれると思っています。男性は「男だったら悪いことができて当然」という考えが、頭の片隅に必ずあります。実際に悪いことをするにしろ、自分は悪いことをしないと距離をおくにしろ、男の子は、この男としての面子、プライドという考えから逃れることはできません。

 

 

社会性が未熟な子どもは、特に顕著に現れ、悪いことをすることで周りの友人に優越感を感じます。集団になると強気になり、周囲の友人に対して引っ込みがつかなくなります。

 

 

親からしつけ等で「悪いことをすることはまちがっている」と考える控えめな男の子にも、「悪いことができなきゃ男として失格」という思いが、頭の片隅にあります。男にとって、反社会的な行為は「男としての最後の証明」なのです。

 

 

(2)テレビゲームや携帯電話に依存している。

 

 

テレビゲームにはまると、大事な時間が失われます。

 

 

ゲームは確かに楽しく、おもしろいものです。リフレッシュになりますし、ストレスの解消にもなります。コニュニケーションのツールにもなります。頭の体操にもなるのかもしれません。

 

 

しかし、テレビゲームにはやはり、それ以上にリスクがあります。それは、時間がなくなる事です。

 

 

テレビゲームはのめり込みやすいので、すればするほど「もっとしたい」と思うようになります。30分でやめるつもりで始めても、30分が過ぎてすぐにやめられるはずがありません。「あと10分」「あと10分」と、どんどん期限を延ばし、二時間程度たつのはあっという間です。

 

 

それに、テレビゲームをしないでいるときも、テレビゲームの事を考え、頭から離れなくなります。勉強をしているときもテレビゲームのことが頭から離れず、集中の妨げになります。

 

 

しかも、最近のテレビゲームは非常に小さく、どこにでも携帯できる代物です。公園でゲーム、買い物先でゲーム、旅行先でゲーム、トイレでゲーム、布団の中でゲームというゲームづくしの生活になることが一番やっかいです。

 

 

(3)学力が低い

 

 

学力が低いと、いじめの対象になりやすいためです。子どもは社会性が未熟なので、すぐにバカ呼ばわりするなど、悪口をいいます。言われた方も劣等感が生まれ、「自分はダメだ」と自分で自分を制限してしまう負のスパイラルに落ち入ります。また、学力はテストの点数ではっきりと示されるので、優劣が顕著に表れます。

 

 

(4)病気

 

 

多動性や衝動性をもっていたり、身体的に障害があると、非行に走りやすいと言われています。これは、病気が理由で周りからいじめられたり、勉強が遅れたりすることでからかいの対象になる、間接的な影響が大きいようです。

 

2 家庭の原因

 

 

(1)貧困

 

 

貧困であると、まず精神的な余裕がなくなります。最低限の生活は維持しなければならないので、常に細かい出費にも気を配る生活になります。仕事などが予定どおりにいかなければ、最低限の生活を失うことになるので、必死になります。大らかさがなくなり、余裕のない生活になるのです。

 

 

貧困であると、学力や運動能力が周りよりも劣るようになります。塾やスポーツなどの学校外教育に力を入れる家庭が多いからです。学校外教育の低年齢化が顕著です。学力を上げるために塾、運動能力を上げるためにクラブ活動をする家庭が増えています。

 

 

(2)反社会的な親

 

 

親が反社会的であると、それを見て育つ子どもは、当然似て反社会的になりなります。反社会的というのは、利己的だったり、横柄だったり、威圧的だったり、平たく言うと、チンピラみたいな者のことです。非行少年の親には、このタイプが多いです。非行少年の親に、子どもの非行の事実を知らせると、「そんなことで・・」や「あなたの態度の方が・・」等と怒り始めるのです。

 

 

(3)極端なしつけ

 

 

子どもを思うと、ついアレコレ要求したくなるものです。「自分なんかよりも立派な大人になってほしい」と子どもを大切に思うからこそ、高度な要求をしがちになります。上手にしつけができれば、子どもは自分を抑える忍耐を覚えますが、同時にそれは子どもにとってストレスでもあります。バランスを考えたしつけが要求されます。

 

 

イライラしながらのしつけも避けるべきです。イライラしながらのしつけは、子どもに対する八つ当たりでしかないはずです。しかし、子どもと接している際にイライラするのは、ある意味仕方のないことでもあります。自分なりのイライラのおさめ方を見つけましょう。

 

 

私は、時間をおくことでイライラを抑えます。もちろん、完全におさまるわけではありませんが、燃える火のようなカッとしたイライラは和らぎます。初めのカッとしたイライラをなんとか抑えれば、心が落ち着いてきて「怒らないでよかった。」と思えるようになります。

 

 

(4)家庭崩壊

 

 

家庭内不和や両親の離婚が、子どもに多大な影響を与えます。家庭の悩みの根底にあるのは、家族の仲が悪く、バラバラになっていることです。家族の仲が悪いために、出きることが出来なくなっている家庭が多い様です。非行少年の家庭事情を聞くと、複雑な家庭環境であることがよくあります。子どもが求めるのは、仲のいい両親です。なぜなら、子どもは一番近い存在であるはずの両親に無条件で頼るからです。罵倒しあう両親をそばで見ていては、子どもの心が不安定になるだけです。

 

 

(5)虐待

 

 

社会問題になっており、ニュースを見るたびに胸を撃ちます。愛情を注がれないで育てられることが、子どもの心に闇をつくります。愛情を知らないで成人になった者が、自分の子どもに愛情を感じられない、負の連鎖も問題になっています。

 

 

3 地域の原因

 

 

(1)反社会的な仲間

 

 

小学生になると交友範囲が広がり、友達から受ける影響が大きくなります。

 

 

例えば、お店から商品を盗るという悪い事(万引き)を知っていても、なかなか実行できるものではありません。しかし、万引きを教えられたり、「クラスで万引きをした人がいる」といううわさ話を聞いたりすると、途端に万引きのハードルが下がります。

 

 

他にも、上級生やクラスの仲間から指示・命令されて、自分の意思に反して非行に走る事もあります。

 

 

(2)互いに無関心な隣近所

 

 

犯罪を容認する地域があります。住んでいる者どうしの声かけや挨拶がなく、隣近所の付き合いがない地域は、犯罪が起きやすく、風紀が乱れます。

 

 

子どもを、常に親が見ていられるわけではありません。親の目が届かない場所や時間では、地域の他の人間が目を光らせることが大切です。

 

 

 


 

 

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